トイレの換気扇のアップから始まった5話でしたが、デンジの息遣いがリアルでよかったですね。
パワーの胸がパットで増強されたものだと気付いたデンジは、深く後悔し、しばらく呆然としてしまっていました。
しかし、胸がニセモノであってもパワーは可愛く、デンジにチョップする姿は以前よりも親しみがこもっていてほっこりしました。
仕事に身が入らないデンジを、マキマはどのようにやる気にさせるのでしょうか。
デンジとマキマの逢瀬
二人の逢瀬については、漫画でもドキドキしながら読んだ人が多いのではないでしょうか。
アニメでも、光の陰影が眩しく、情緒たっぷりに描かれていました。
デンジの心に合わせて、画面がぶれたり、お互いの姿が瞳に映ったり危うい雰囲気に溢れていました。
指を噛む時も、本当に噛んで喋っているようでリアリティがありました。
楠木ともりさんは、今まで少女役を演じることが多かったようですが、こんなにも大人っぽい役柄も絶妙に演じていらっしゃいました。
繊細な手の動き
二人が手を合わせたのは、1分程度だったのですが、こんなにも妖艶な雰囲気が出せるのだとアニメーターさんの本気を見たように思いました。
手は色々な表情を出せる体の一部ですが、こんなにもドキドキしながら手を見つめたのは初めてかもしれません。
指の長さを測るのにも、一度指を通して、そのまますり合わせながら上げる動作などは玄人としか思えないです。
手のひらをさりげなく、頬に持っていき、あまり人には触らせない耳の形を確認させるのは、特別感がありますよね。
この時に、マキマの台詞は後半特に重要になってくるので、ドキドキしても要チェックなシーンかと思います。
銃の悪魔とは
銃の悪魔は13年前に現れた史上最悪の悪魔で、たった5分活動しただけで、世界の人口を120万も減らしてしまいました。
銃の悪魔は、マキマの説明やアキの過去の記憶の中でも姿を見ることはできませんが、家を易々と吹き飛ばしてその恐ろしさを見せつけました。
マキマから銃の悪魔の存在を知ることで、今まで小さな幸せのために戦っていたデンジですが、倒すべき相手が明確になってきました。
アキの過去
銃の悪魔の存在がどれだけ恐ろしかったのかは、アキの過去編でよくわかります。
そんな重要なシーンのアキの少年期を演じられるのは、七色の声を持つことで有名な村瀬歩さんです。
病気の弟に対する複雑な感情を繊細に演じられていて、アキの声を聞くだけで涙が出てきそうになりました。
遊び疲れて、はぁはぁと息が切れる様子は、漏れ出る吐息も合間って本当に寒そうです。
タイヨウの声は、中臣愛菜さんという新人声優さんが演じていらっしゃり、病気になりながらも明るく屈託のない声に癒されました。
また、アキの後をただひたすら楽しそうに追いかけるタイヨウは、バックで流れるBGMも乗除的で涙を誘いました。
二人が雪合戦をする時、漫画では描かれませんでしたが、左下にさりげなく北海道でよく見られる福寿草が描かれています。
福寿草の花言葉は、「永久の幸福」だそうですが、その意味は後半になってからじわじわとわかってくることでしょう。
二人の小さな幸福は、銃の悪魔によって簡単に吹き飛ばされてしまい、家族を亡くし天涯孤独となってしまったアキの絶望感が伝わってきました。
アキの絶望した顔が左下に配置され、右に向かって帽子が飛んでいったのが、何か重要なものを失ってしまったような暗示を感じます。
永遠の悪魔登場
マキマとの逢瀬のおかげで、仕事をする気力が湧いたデンジは、悪魔が出現するというホテルに特異4課のメンバーと共に潜入しました。
しかし、アキのバディである姫野にからかわれ、デンジは間に受けてしまい楽しそうに走っていました。
女の子の発言に一挙一動を操られる様子に、デンジの若さを感じますね。
姫野とアキ
姫野とアキが墓地の前で会うシーンは、新世紀エヴァンゲリオンから着想を得たそうです。
墓石にとまる無数のカラス達が、不穏な空気を醸し出しています。
アキ君は死なないでね
引用:藤本タツキ「チェンソーマン」集英社
姫野の台詞をアキはどこまで受け止めていたのでしょうか。
永遠の悪魔の能力とは
作者の藤本先生のアシスタントさんから、カービィと言われていた永遠の悪魔ですが、その能力とは人を閉じ込め永遠に時を止めることができるようです。
漫画でも気持ち悪く描かれていましたが、手とも足とも言えないもので、ぺたぺたと歩く姿は本当に不気味でした。
階段を登って、同じ階に辿り着いてしまったという表現は、漫画ではわかりにくかったですがアニメだとわかりやすかったです。
永遠の悪魔の血痕を見つけたことで、荒井が悪魔の仕業ではないかと勘づきます。
果たして閉じ込められた特異4課の6人はどうなってしまうのでしょうか。
第5話のエンデイング曲はsyudouさんの「インザバックルーム」
第5話のエンディング曲は、syudouさんの「インザバックルーム」でした。
syudouさんはボカロプロデューサーとして有名ですが、2020年にAdoさんに大ヒット曲「うっせぇわ」を提供した人でもあります。
アップテンポでノリが良く、「うっせぇわ」のような若者特有の鬱憤を撒き散らす、刺激的な歌詞が印象的です。
エンディングPVは、第5話の状況に合わせて、永遠に同じ運動を繰り返すエッシャーの絵画のような世界が広がっています。
また、ヨハネの黙示録の影響も受けており、終焉に現れる4騎士や、月は全面血のようになったという表現も露わになっています。
途中で姫野先輩が、雲のように消えていくシーンがありますがヨハネの黙示録6章14節の『天は巻物が巻かれるように消えていき…』という言葉に通じているのではないかと推測します。
馬の意味
エンディングPVで走っている4頭の馬は、ヨハネの黙示録に登場する4騎士で間違い無いでしょう。
この馬は、世界の終焉に現れ、地の4分の1を支配する権威と剣と飢餓、死と獣らとによって人を殺す権威を持っているようです。
それぞれ意味を持つこの馬は、アキそのものを表しており、出てくる順で読み解いていくとアキの人生を体現しています。
なぜなら、第5話のエンディングには、アキの姿は後ろ姿しか出てきません。
おそらく、このアキの後ろ姿は姫野が追っているアキの幻影だと考えるのが妥当だと考えられます。
4頭の馬と、途中に登場するユニコーンの意味などについて解説していきますが、ネタバレも含みますのでご了承ください。
黒い馬は愛情の「飢餓」
黒い馬はヨハネの黙示録では「飢餓」を表しますが、ここでは家族を失ってしまったアキが家族の愛に飢えて走り続けている様子が描かれています。
歌詞についても、黒い馬が走っている時に「見つからない」という言葉が出てきています。
元々弟が病気で、愛情不足であったのにも関わらず、家族全員を亡くしてしまい、アキは愛情を受けることができなくなってしまいました。
ユニコーンは子供のアキの心
ヨハネの黙示録には、ユニコーンは登場しませんが、PVのユニコーンは恐らくアキ自身の姿であると推測します。
両親から愛情を十分に与えられなかったアキは、子供の時のトラウマに囚われたまま、デビルハンターになるために必死に走っている様子が描かれています。
白い馬は「勝利」
白い馬はヨハネの黙示録では「勝利」を意味し、手には弓を持ち冠を被っているそうですが、PVでは上半身が姫野先輩になっています。
黙示録通りに手には弓を持っており、冠の代わりに眼帯をつけていることが遠目からでもわかりますね。
原作を読破した人ならわかると思いますが、姫野先輩のいう通りにしていたら、アキはあんなことにならなかったんですよね…。
エンディング曲の途中で、アキの手を掴み引き止めようとしているのは、間違いなく姫野先輩だと思われます。
白い馬の姫野先輩は、アキにとってポジティブな象徴でした。
赤い馬は悪魔との「戦争」
赤い馬は、ヨハネの黙示録では「戦争」を表します。
しかし、この赤い馬は頭がないところが特徴的ですよね。
これは既に、アキはマキマに思考を操られながら、悪魔との戦争を繰り広げていることを暗示しています。
歌詞の方でも「奴らの思考の外に出る」と歌われているので、間違い無いでしょう。
そしてその赤い馬が走っている様子を、魔人であるパワーの目が瞬きをしながら見つめています。
最終戦で、マキマの思考の裏をかいたのはパワーだったことから、ここではパワーの姿が描かれたのかもしれません。
PVのマキマの表情は、妖艶で支配の能力を行使していることがわかります。
骸骨の馬は「死」
骸骨の馬は、ヨハネの黙示録では「青白い馬」と言われていますが、「死」を意味しているのは間違いありません。
アキの最後を知っている読者ならわかると思いますが、「辿り着いたぜあんたの背だけを追って」という歌詞と同様に、銃の悪魔を追って迎えた最後は「死」でした。
最後に、永遠に終わらない螺旋階段を登っているアキが描かれており、永遠の悪魔と今後のアキの未来を暗示しているようにみえます。
そして、「死」以上に恐ろしい結果から救いを与えてくれたのは、最後に出てくるデンジでしたね…。
さいごに
第5話は、マキマとの逢瀬や、アキの過去などについてなど、エピソードがてんこ盛りで本当に楽しませてもらいました。
第6話では、永遠の悪魔との戦いになりますが、第4話同様にめちゃくちゃな戦いを期待しております。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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