アニメ『チェンソーマン』第1話は、デンジが「開けてはいけない」と言われているドアの前に向かうところから始まりました。
そして、目が覚めて悪魔を殺していくという展開ですが、これは漫画の場合は悪魔を退治するところから始まったので大きな改変と言えるのではないでしょうか。
監督の中山竜さんは、第一話を物語のプロローグと考え、丁寧に作り込んだと話されています。(2022年11月号日経エンタティメントより)
デンジの幼い頃の苦悩や、ポチタとの丁寧なやりとりが描かれていて大変よかったです。
長年アニメ化を待っていてファンにも、初めてチェンソーマンを見るに人にも楽しめる1話になったのではないでしょうか。
デンジの過去
チェンソーマンPV第一弾では、幼いデンジが路地の小道に入る場面が描かれていますが、小道については作中では何度も出てきて重要なシーンです。
なぜなら、この小道に奥には開けてはいけないドアがあり、物語の要になってくるところです。
第一話を大幅に伸ばす必要があるなら、このシーンを入れるのは大正解だなと感じました。
それから目覚めて、ポチタと一緒に急勾配を降りていくシーンも情緒溢れていてよかったです。
木材を伐採する仕事をしているデンジは、街から離れた山奥に住んでいて、大仕事をするために山を降りて盆地に向かう様子が描かれていました。
坂の向こうから見える都会の風景が、物語の主軸になる「都会のネズミと田舎のネズミ」の対比になっているのがわかります。
漫画では小さなコマでしか描かれなかった情報を、余すことなく映像にされていて鳥肌が立ちました。
また、『メイドインアビス』ではナナチを演じていた井澤詩織さんは、犬の鳴き声がリアルで驚きました。
食べるときに「キュッキュ」という咀嚼音が可愛いです。
デンジ役の戸谷菊之介さんは、声優オーディション「第6回アニストテレス」で特別賞を獲得しており、主人公を初めて演じられているように思えませんでした。
ゾンビの悪魔との戦闘
ゾンビの悪魔との格闘シーンは、原作に比べて大幅に増量されています。
ゾンビの悪魔に斬りかかり、思いっきり後に引き飛ばされたり、スピード感が溢れていてよかったです。
漫画の方ではテンポの良いコマ割りで、容赦無くゾンビ達を斬って行きますが、アニメでは何人ものゾンビを薙ぎ倒していきます。
時々ゾンビが「痛いよ〜」「こっち来るな〜」という台詞が付け加えられ、襲う方が襲われる方に変わった演出もよかったです。
アニメ制作会社MAPPAは『ドロヘドロ』や『いぬやしき』などの血みどろアニメを手がけてきているので、アクションも血しぶきも激しくて迫力もありました。
また、原作ではどう描くのか心配だった、チェンソーマンの頭がドロドロに溶けて、人間に戻るシーンですが上手くドロドロ感が出ていました。
今後も血みどろなシーンが、どのように描かれていくか期待が隠しきれません。
チェンソーマンのオープニング曲
チェンソーマンのオープニング曲は、「レモン」や数多くのヒットソングを手がける米津玄師さんが書き下ろしました。
さらに、常田大希さん(King Gnu/millennium parade)がアレンジを加えており
努力 未来 A BEATIFUL STAR....
引用:モーニング娘「そうだ!We're ALIVE」作詞・作曲つんく
という歌詞の連呼から始まるのに驚きました。
今後の展開を知っている読者なら、皮肉にもほどがある歌詞ですよね。
確かにOP曲では、未来の悪魔が踊っているけど、だからと言ってこの歌詞をサンプリングしてくるとは思いませんでした。
オープニング映像は、数々の映画のオマージュに溢れていて何度見ても楽しまされます。
また、デンジがマキマにロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリを食べさせられている演出は気持ち悪いと思った人も多いのではないでしょうか。
ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、寄生虫の赴くままに行動するようになってしまうので、不安な気持ちになりますよね。
楽しさや奇妙さ、不安など色々な感情を全部詰め込んだオープニングは、毎話ごとに見ることになっても飽きないでいられそうです。
第1話のエンディング曲はVaundyのCHAINSAW BLOOD
なんとチェンソーマンのエンディング曲は、毎話ごとに変更されるそうです。
第一話では、昨今注目されているVaundyさんが担当されました。
Vaundyさんは今をときめくロックバンドで、近代のJ-POPを牽引されているバンドのうちの一つです。
しかし、今回のCHAINSAW BLOODは90年代の洋楽ロックのような曲調で驚きました。
作品に合わせて、これからの古いデンジとさよならするような展開だからでしょうか。
でも何度も聴いていると、スルメ系というかクセになるリズム感がある曲だと感じました。
さいごに
チェンソーマン第一部の最終巻である11巻が発行されたのは、2021年の3月でした。
その時からアニメ化の決定はされていましたが、いつから放送されるかは全く公表されず1年以上首を長くして放送開始を待っていたファンも多いのではないでしょうか。
しかし、待機時間に見合った素晴らしい第一話だったのではと感じます。
第二話ではメインキャラクターが続々登場しますので、次週の放送も期待できそうです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント