映画【オーメン:ザ・ファースト】のあらすじや感想は?【サスペリア】や【ローズマリーの赤ちゃん】に激似

映画【オーメン:ザ・ファースト】のあらすじや感想は?【サスペリア】や【ローズマリーの赤ちゃん】に激似 2024年映画

映画【オーメン:ザ・ファースト】は、アメリカの大ヒットホラー映画【オーメン】の前日譚で、悪魔の子「ダミアン」がどのように産まれたかが語られます。

本作では【オーメン】で印象的だった、女性が建物の屋上から首を吊るシーンなどがでてきますが、全体的な雰囲気としては映画【サスペリア】をリスペクトしているように見えました。

アメリカから奉仕をするために、イタリアの孤児院にやってきたマーガレットは、見知らぬ土地で閉鎖された教会で徐々に精神が蝕まれていきます。

教会に住んでいるのは、主にシスターやシスターになるために教育を受けている少女ばかりで、女性だけの閉鎖されてた空間の居づらさや息苦しさがホラー映画の雰囲気にピタリと合致していたようにみえました。

映画【オーメン:ザ・ファースト】は、閉塞感に満たされた教会の中で、迫害を受ける少女を同じように辛い過去を持つ勇敢な女性が助け出すお話だと思います。

家族の絆の脆さを描写した映画【オーメン】とは異なり、【オーメン:ザ・ファースト】のラストはほっとさせられる展開になっていて安心しました。

【オーメン:ザ・ファースト】のあらすじ

アメリカの孤児院で育ったマーガレットは、子供の頃にお世話になったローレンス枢機卿の薦めで、修道女になる前にローマの教会が運営する孤児院で奉仕活動に従事することになります。

しかし1970年代のローマは、カトリック教徒に抗議する集団がデモを起こしており、混乱が生じていました。

慣れない環境と言語で困惑するマーガレットでしたが、一人バッドルームと呼ばれるお仕置き部屋に住んでいるカロリータの存在が気になり始めます。

マーガレットも幼い頃、他の人には見えないものが見えて、そのことをシスターに話すと激しい折檻を受けていたことを思い出し、彼女に深いシンパシーを感じていました。

しかしマーガレットのもとに、ブレナン神父というアンチキリスト教の存在を危惧する人物がやってきて、「カロリータのそばにいると災いが起こる」と忠告を受けます。

そして、ブレナン神父が言った通り、カロリータの周りで不審な死が立て続けに起こるようになり、さらに教会内の過激思想の集団が悪魔の子供を産み出そうとしている計画を知ります。

マーガレットは、カロリータを救い出そうとしますが…。

マーガレットの身にも危険が迫る!
引用:映画『オーメン:ザ・ファースト|20世紀スタジオ公式 https://www.20thcenturystudios.jp/movies/omen-1st

全体的に完成度が高い

実際に劇場で鑑賞した感想としては、全体的に完成度の高いホラー映画でした。

マーガレットの幼い頃のトラウマと重ねた、シスターの幻影や、サブリミナル効果を使った悪魔の映像はしっかりと恐怖を感じました。

親しみやすいキャラクター達

前作のオーメンの主人公は、外交官のロバートで男性主体の話でしたが、【オーメン:ザ・ファースト】の主人公は等身大の外の世界に憧れる若い女性だったのが良かったと感じました。

マーガレット役のネル・タイガー・フリーが良かった!
引用:映画『オーメン:ザ・ファースト|20世紀スタジオ公式 https://www.20thcenturystudios.jp/movies/omen-1st

修道女になるために努めてきたマーガレットですが、ローマの街並みを見て「冒険をしてみたい」と話していたところが、少女らしくて好感が持てます。

こっそりとルームメイトと一緒に夜のクラブに出かけたり、規則を破って冒険をしたいという気持ちは、誰にでもあることなので共感を得やすいのではと感じました。

しかも、マーガレット役のネル・タイガー・フリーも、カルリータ役のニコール・ソラスも演技がとても上手かったので悪魔の存在を意識せざるを得ませんでした。

シルヴァ修道院長役のソニア・ブラガも、ブレナン神父役のラルフ・アネイソンも存在感が強く個性が際立っていて良かったです。

誓願式をみることができる! 

映画【オーメン:ザ・ファースト】では、本来カトリック教徒でないとお目にかかることができない、誓願式を見ることができます。

誓願式とは、カトリック教のシスターになるための大切な儀式で、「キリストとの結婚」とも呼ばれ生涯をキリストへ捧げると誓います。

儀式に参加をする少女達は、白いドレスのような服を着せられ、儀式を受ける女性は指輪を授与されたり床に寝そべって聖句を唱える様子はなかなか異様な雰囲気です。

その異様な雰囲気と、ホラーが入り混じって独特な恐怖心が湧き上がってきたのがとても印象的でした。

出産の表現が生々しい

女性として産まれたならば、一度は恐れと期待を抱いたことがある出産というイベントですが、映画【オーメン:ザ・ファースト】では出産の生々しさを効果的に演出していました。

ある場面で、マーガレットがある女性の出産シーンを目撃してしまうのですが、その妊婦さんの演技がとても良かったです。

実際に出産を経験したことがあるのですが、いつも映画やドラマで出産シーンをみると「こんなに叫んだらいきめないよ」といつも思うのです。

案の定【オーメン:ザ・ファースト】でも、妊婦さんは産気づいてめちゃくちゃ叫んでいたのですが、その後静かになり今度は高らかに笑い出したのには驚きました。

しかも彼女の笑い声は、なかなか終わらず、最初はどうしたのかなと様子をみていましたが、だんだんとみているこっちも不安になってきます。

確かに、出産の痛みは耐え難いものがありますが、それを気が狂ったように笑い出すことで、なにか恐ろしいことが起こっていると視聴者に印象付けることができます。

その後の出産シーンは、モザイクが変だったとかいろいろな意見がありますが、どちらにしても出産シーンの衝撃は大きかったです。

そして、映画の最後には悪魔を出産するシーンがあるのですが、帝王切開を用いたこのシーンは生々しくて恐ろしかったです。

このシーンを見たら「帝王切開は負担が少ない」などと言えるような人はいなくなることでしょう。

サスペリアへのリスペクトを感じる

【オーメン:ザ・ファースト】では、アメリカで育った修道女見習いのマーガレットが、女性ばかりしかいない教会が運営している孤児院で言語や文化の違いに苦しみます。

この展開は、1977年に製作された映画【サスペリア】と酷似しています。

当時話題になり「決して一人では見ないで下さい」と警告された【サスペリア】の、「この表現は勘弁してほしい、でも引き込まれちゃう!」と感じてしまう効果をそのまま【オーメン・ザ・ファースト】では使われているように感じました。

無数の蜘蛛達に蝕まれる

【オーメン:ザ・ファースト】では、マーガレットが無数の白い蜘蛛の幻影を見る場面があるのですが、これは【サスペリア】の大量の蛆虫が動いているところに似ていると感じました。

小さいけど大量で、確実に心身を破壊する生き物の存在がでてくることで、何か恐ろしいことが起こっているのではと視聴者を緊張させたのではないでしょうか。

絵が描かれた壁の向こうに秘密の部屋

【サスペリア】でとても印象的だったのが、スージーが校長室に忍び込み、壁の仕掛けを動かすと秘密のドアが開いて中に入っていくところがなんだか心の中に残ったのを覚えています。

【オーメン:ザ・ファースト】でも、壁の絵をよく見ると、向こうに部屋があることがわかり、隠されていた鍵を使って中に入る場面があります。

彼女達が、仕掛け部屋を見つけ出すシーンは、静寂と光が印象的でなんだかとても似てるなと感じました。

ルームメイトがナイフを持っている

【サスペリア】がなぜ怖いと言われるのかと問われると、それは最後に心を許していたはずの友達が、ナイフを持って襲いかかってくるからなのではと感じます。

【オーメン:ザ・ファースト】でも、信用していた人から裏切られ、マーガレットが危機に晒される場面があります。

特に、仲が良かったルームメイトがナイフを持っていた時、なんだかこれ見たことがあるなと思ったら、やはり【サスペリア】でも同じような場面がありました。

目新しさがない

【オーメン:ザ・ファースト】は、よくできたホラー映画なのですが、この演出はどこかでみたことがあると思うことが多かったです。

もちろん、【オーメン】で印象的な、女性が首を吊るシーンはでてきますし、悪魔の子を身籠るという話は1969年に公開された【ローズマリーの赤ちゃん】と全く同じです。

しかも、【サスペリア】のホラー演出を何度も使っていれば、怖くない映画ができあがらないはずがありません。

しかし、映画としての目新しさがあるかというと、それほどではなく古典的要素が強い映画だと感じました。

さいごに

【オーメン:ザ・ファースト】の見どころや、感想をまとめてきましたがいかがだったでしょうか。

全体的にとても良くできている映画でしたが、過去の作品の良いところをかいつまんでいるような印象を受けてしまいました。

しかし、役者さんの演技がとても良く、見ていて退屈に感じることはないです。

興味が湧きましたらぜひ映画館に足を運んでみてくださいね。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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