Netflixの【グリム組曲】が面白すぎる!キャラクター原案はCLAMPでWIT STUDIOが製作!

Netflixの【グリム組曲】が面白すぎる!キャラクター原案はCLAMPでWIT STUDIOが製作! アニメ化

2024年4月17日から、CLAMPがキャラクター原案を手がけ、数多くのヒット作を輩出しているWIT STUDIOが製作した【グリム組曲】が公開されました。

「シンデレラ」や「赤ずきん」など、子供の頃から親しんできた来たグリム童話を、大人でも楽しめるようにアレンジしてアニメ化された本作は、正直とっても面白かったです。

本記事では、Netflix【グリム組曲】の見どころや、各話で使われているクラシック曲などについてまとめてみました。

Netflixの【グリム組曲】とは

前述した通り、Netflixの【グリム組曲】は、『コードギアス叛逆のルルーシュ』などでキャラクターデザインをされた、CLAMPさんが担当しています。

グリム童話を集めたグリム兄弟、ヤコブとヴェルヘルムがCLAMPさんが描くイケメンキャラクターに変身し、兄弟の妹であるシャルロッテも可愛らしい美少女として描かれています。

ヤコブ役を鈴木達央さん、ヴェルヘルム役を野島健児さん、シャルロッテ役を福圓美里さんが演じ、三人は本編の中で多種多様な役になって登場します。

物語の冒頭は、三人の語り合いから始まり、「でも、もしも…だったら」というシャルロッテの妄想から本編が始まっていきます。

一つ一つの物語は、世界設定が異なっておりますが、三人のグリム兄弟は脇役として「こんなところに!?」という場面で登場しますので、三人を探すのも一種の楽しみになります。

シンデレラの清子の人形がシャルロッテにどこか似ていたり、妄想の世界っておもしろいなぁと思いながら楽しめました。

音楽はあの宮川彬良さんが監修!

Netflixアニメ【グリム組曲】は、それぞれ有名なクラシックの作曲家の曲を挿入曲として使っており、演奏はあの宮川彬良さんが担当しています。

NHK番組「ゆうがたクインテット」で、クラシックに興味がない子供達をテレビに釘付けにしてきた宮川さんのクラシックは、【グリム組曲】でも素晴らしかったです。

キャラクターの心情などによって、曲調を変えてみたり、ジャズ風にアレンジしたり、時にはクラブミュージック風にアレンジしていることもありました。

クラシック音楽は取っ付きにくいイメージがありますが、彬良さんのアレンジの引き出しって多種多様ですごいなと感じました。

グリム組曲の音楽は宮川彬良さんが担当!
引用:宮川彬良オフィシャルウェブサイト https://akiramiyagawa-official.com/
宮川彬良 オフィシャルウェブサイト
作曲家・舞台音楽家 Akira Miyagawa Official Website

各話のエンディング曲も、一つ一つアレンジがカッコいいので最後まで目を離すことができません。

シンデレラ

グリム組曲のシンデレラは、日本の大正時代の貴族の名家が舞台になっています。

大田原子爵の家に嫁いできた鶴子は、娘の真紀子と佐和子と一緒に移り住んできました。

そこには、夫の実娘である清子がいて、最初は仲良くできるか心配していましたが、彼女はとても無邪気で親切で真紀子も佐和子も安心しました。

しかし、清子は二人が自分を責めるような状況にわざと仕立てようとすることがあり、三人は大田原家で後ろ指をさされるようになっていきます。

わざと使用人のような立場になり、品行方正で健気に真紀子と佐和子に尽くす清子をみて、使用人や周りの人間達は清子のことを尊敬するようになります。

一つ一つの清子の所作は美しく、清子のキャラクターデザインも、「叛逆のルルーシュ」のユフィのように、いきなりおかしくなりそうな危うい感じが良かったです。

清子は、演技力に定評のある釘宮理恵さんが演じており、子供時代の屈託のない声から、大人になってからの狂気に溢れながらも冷静な声は寒気がしました。

ちなみに清子が愛用していた髪飾り、藤の花の花言葉は「優しさ」「歓迎」「恋に酔う」「忠実な」「決して離れない」だそうです。

シンデレラで使われているのはモーツアルトの名曲

グリム組曲のシンデレラで使われている楽曲は、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ単調K.466 がよく流れていました。

貴族が楽しそうに遊んでいるような曲で、シンデレラのイメージにぴったりな華やかな曲でした。

特に、清子が舞踏会で伯爵の一条正隆と踊るシーンなのですが、情熱的にアレンジされており、赤いドレスを翻す姿は妖艶でした。

最初は正隆と一緒に踊っていた清子ですが、これまでの清子の悪行が走馬灯のように流れ、いつの間にか正隆の存在はいなくなり清子が一人で踊っている姿は見事だと感じました。

赤ずきん

グリム組曲の赤ずきんは、仮想現実がより身近になった世界のお話で、近未来的な世界観が面白かったです。

グレイと呼ばれる男は、社会的地位は高いですが、偽物の世界に飽き飽きしてしまい、女性を殺して食すことに快感を得ることを決意しました。

そして、より深い快感を満たすために、現実世界でも狩りをしようと老婆の元へ行きますが…。

狼と呼ばれるグレイは浪川大輔が担当しており、うっとりするほど官能的で、ローズという少女も「あなたの声とってもいい声」と話しています。

残酷な描写が多く、血が大量に出ますので、グロ描写が嫌いな人にはおすすめできません。

しかし、仮想現実の世界はよくできており、赤ずきんと呼ばれるスカーレット(伊瀬茉莉也)の着ている服はとてもCLAMPらしくてかわいいです。

赤ずきんのような大きなフードと、凛とした瞳はとてもかわいく、どことなく漫画『X』の八頭司颯姫(やとうじさつき)のような危うい雰囲気を醸し出しています。

しかし、グレイと一緒にスカーレットが並んで歩いていると、どこかお似合いなカップルだと感じてしまいました。

シャルロッテは「狼だけが狩りをするわけではない」と言いますが、狼と呼ばれたグレイは一体どうなるのでしょうか。

赤ずきんで使われているのはグリーグの名曲

赤ずきんでは、グリーグという作曲家のクラシックが使われていました。

物語の冒頭は、ワルツの軽快なリズムから始まり、ローズが店に入ると《ペール・ギュント》第一組曲「山の魔王の宮殿にて」で一気に盛り上がる演出が良かったです。

ヘンゼルとグレーテル

【グリム組曲】の「ヘンゼルとグレーテル」は、全作品の中で一番見返したいと思った作品でした。

グリム童話と同じように、ヘンゼルとグレーテルが父と母に森に置いていかれ、そこでお菓子の家に住む老婆と出逢います。

しかし、グリム組曲のヘンゼルとグレーテルは学校のような場所で複数の子どもと衣食住を過ごしており、父と母はどこか機械的な喋り方と動き方をしています。

そんな奇妙な環境下で、ヘンゼルとグレーテルに終始違和感を感じていましたが、終盤でやっと謎が解けてスカッとしました。

グリム組曲の中でも、キャラクターがデフォルメされる表現が多く出てくるので、なんだか魔法騎士レイアースを思い出しました。

ヘンゼルとグレーテルで使われているのはヘンデルの名曲

ヘンデルという名前は、あまり馴染みがなかったのですが、ハレルヤの讃美歌でお馴染みの楽曲家でした。

暗い重苦しい曲と、派手な曲のギャップが良かったです。

特にエンディング曲の「ハレルヤ」は迫力がありました。

小人の靴屋

主人公のNは、昔は小説家として名を馳せていたが、年々仕事が減っていき、その日の生活にも困るほど金銭的に逼迫していた。

その夜、公園で酔い潰れていたNは、自分の書いた小説をこき下ろす不思議な少女に出逢います。

朝起きると、自分が書いた覚えのない小説が部屋に散らばっており、Nはその小説を出版社に送ると、いつもは反響の薄い担当からすぐに返事が来ました。

自分が書いた覚えがないのにも関わらず、その小説は巻頭を飾り、莫大な金額が振り込まれ生活を立て直すことができました。

その後、Nは自分自信で書いた原稿を持っていきますが「これは先生の原稿らしくない」と相手にされなくなってしまいました。

一方で誰に書かれたのかもわからない作品が、評価されるようになり、Nの精神状態は次第に追い込まれていきます。

小人の靴屋で使われているのはショパンの名曲

グリム組曲の小人の靴屋では、ショパンの名曲が使われており、Nの気持ちが沈むと24のプレリュート前奏曲集第七番が流れ、うまくいっていると子犬のワルツなどが流れていました。

24のプレリュート前奏曲集第七番は、胃腸薬のCMでもお馴染みですが、物事がうまくいかないときはこのような気持ちになるなと感じました。

ブレーメンの音楽隊

グリム組曲の【ブレーメンの音楽隊】は、イヌ、ネコ、ロバ、トリと呼ばれる女の子達が、悪党をこらしめるという物語通りのシンプルなストーリーです。

舞台はアメリカのような荒野ですが、トリが持っているスコープや、ネコの武器などをみると近代的な設定も混じっているようです。

キャラクターデザインがとても良く、イヌは漫画『X』の猫衣護刃(ねこいゆずりは)のような凛々しさがあり、ロバも『叛逆のルルーシュ』のヴィレッタのような面影があります。

ネコは、はち切れんばかりの胸を晒していますが、CLAMPさんはこのようなナイスバディな女性を描くのも上手いんですよね。

ブレーメンの音楽隊で使われているのはベートーベンの名曲

ブレーメンの音楽隊は【グリム組曲】の中でも、バトルシーンが多く含まれており、有名なクラシック曲である運命をバックミュージックにぴったりと合致した戦闘は清々しかったです。

エンディング曲は、「エリーゼのために」がしっとり奏でられました。

ハーメルンの笛吹き

マリアは、頭の回転が早く聡明でしたが、彼女の住む村は高い山に囲まれており、成長すると農業に従事し下界との繋がりは遮断されていました。

マリアの祖母であるグランコードは、質素な生活と労働を推奨し、勉強は最低限に止め、恋や音楽などの娯楽を禁止していました。

そして17歳になったマリアも、恋などをする猶予はなく、縁談の話が持ち上がってきました。

マリアに恋焦がれていながらも、自分の心をひた隠しにしてきたマリアの先生は、雨が降る夜に疲れ切った旅人と出会います。

旅人から村で禁止されている、恋人が見つめ合う絵をもらった先生は、マリアにその絵を見せますが…。

危険を犯したり、誰かを傷つけてもマリアを思う先生に感情移入してしまい苦しかったです。

無機質だったマリアの表情が、話が進むごとに喜びの表情で溢れていったのが印象的でした。

ハーメルンの笛吹きの監督は、ジブリ映画や『王様ランキング』を製作した仲澤慎太郎さんが担当しており、最後にマリアが丘を駆け上がるシーンは圧巻です。

ハーメルンの笛吹きで使われているのはドビュッシーの名曲

ハーメルンの笛吹きは、印象派と呼ばれたドビュッシーの名曲が使われており、物語の終盤ではまるでマリアがモネの絵画の中を走っているような場面がありました。

マリアが恋人の絵を見た時に、亜麻色の髪の乙女が流れるのは、タイミングがバッチリできらきらとした煌めきがありました。

さいごに

Netflixアニメ【グリム組曲】に使われている楽曲や、見どころについてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。

優秀なアニメ製作スタッフと、美しいクラシック曲は一見の価値ありです。

Netflixに登録しているなら、ゴールデンウィークに是非見てほしいアニメです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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