死霊館シリーズは、全米を震撼させた「ソウ」シリーズを生み出した、ジェームズ・ワン監督が監修しています。
2013年映画『死霊館』を皮切りに、同シリーズは8作もの作品が公開され、2023年秋には『死霊館のシスター 呪いの秘密』が公開される予定です。
本記事では、死霊館シリーズ8作品を視聴した上で、怖さやグロさ、ストーリー性を星の数で数値化しながら、見どころや感想をネタバレなしでまとめてみました。
死霊館シリーズは、怖いだけではなくストーリー構成がしっかり固まっているので、欧米の家族愛や宗教観について深く知ることができ、視聴後は物事について深く考えることができるのが良いところです。
死霊館
怖さ ☆☆☆☆
グロさ ☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆☆
2013年に公開された、映画『死霊館』は実話を元に作られたホラー映画として話題を呼びました。
実際にアメリカで活躍した、心霊研究家ウォーレン夫妻が最も恐怖した事件を元に作られた映画で、1971年のロードアイランド州のペロン一家の屋敷で起こる怪奇現象の謎に迫ります。
古いけれども理想の住まいを手に入れることができたペロン家族は、最初は楽しそうでしたが、徐々に不可解な現象に悩まされることになります。
特に、母親と娘達がかくれんぼをするシーンは、和やかな家族の触れ合いから姿の見えない悪霊に襲われる展開が恐ろしかったです。
ところどころチラチラ見え隠れする悪魔達、そして驚かせる時は一気に近づいてくるので、ハラハラドキドキしながら恐怖を味わうことができます。
ジャパニーズホラーに比べて、悪魔がとてもアクティブで、人間を掴んで振り回したりするので動きが多く鑑賞中飽きを感じることはありません。
また、悪霊に苦しみながらも、家族同士がお互いを思いやり、ウォーレン夫妻と共に悪魔に立ち向かい姿に勇気をもらえます。
↓死霊館についてはこちらでも書いてます!
アナベル死霊館の人形
怖さ ☆☆☆☆
グロさ ☆☆
ストーリー ☆☆☆☆
『アナベル 死霊館の人形』は、『死霊館』と同じく1970年代のアメリカが舞台で、ヒットを遂げた『死霊館』の翌年の2014年に公開されました。
第一子を宿したミアは、ジョンと一緒に日曜日は礼拝に通っていましたが、正直夫婦仲はぎくしゃくしていました。
ジョンは、人形が好きなミアのために、アナベル人形を贈りますがそれが全ての元凶の始まりでした。
その夜二人のカルト教団の男女が、隣家の夫妻を襲い、ミアも腹部を刺されてしまいました。
駆けつけた警察官は、襲って来た男性を射殺しましたが、女性はアナベル人形を抱きながら自殺を遂げてしまいました。
ミアのお腹の中の赤ちゃんは助かったものの、テレビが壊れたり、アナベル人形が移動したり、ミシンのスイッチが勝手についたりなど次第にミアは怪奇現象に悩まされます。
娘の誕生をきっかけに、ジョンとミア引っ越しをし、アナベル人形を廃棄します。
しかし、転居先で荷造りをほどくと、そこには捨てたはずのアナベル人形が戻ってきていたのです…。
アナベルが怪奇現象を起こす前に、オルゴールの音が鳴ったり、ミシンを動かしている時だったりと音の使い方がとても印象的な作品です。
また、エレベーターで悪魔と遭遇した時などは「こういう展開絶対いやだ」と思える展開でした。
そこに悪魔がいて、近づいてくるから早く逃げたくてエレベーターのボタンを連打しているのに、エレベーターは動かずに扉はゆっくりと開閉を繰り返します。
次々と起こるアナベル人形の怪奇から、ミアは娘のリアを助けることができるのでしょうか…。
死霊館エンフィールド事件
怖さ ☆☆☆☆
グロさ ☆☆☆
ストーリー ☆☆☆
2016年に公開された、『死霊館 エンフィールド事件』は、1977に実際に遭遇したロンドンのエンフィールドで起こった事件を元に製作されました。
夫と離縁したばかりのペギーは、4人の子供と共にエンフィールドに引っ越して来ましたが、金銭的に苦しい状態でありながらも毎日楽しく過ごしていました。
ジャネットは、父親が戻って来ないことに不安定な気持ちを抑えきれず、こっくりさんのようなもので幽霊と交信するようになります。
タバコを吸ったという容疑までもかけられ、夢遊病に悩まされるジャネットは、度々悪魔が乗り移るようになり、家族は苦難に立たされます。
ジャネットは、11歳の女の子と思えない声で恐ろしい言葉を口にしたり、家族を襲ったりしますが、果たしてウォーレン夫妻は彼女を助けることができるのでしょうか。
『死霊館 エンフィールド事件』は死霊館シリーズと同じく、派手に家具や調度品がアクティブに動き回り、退屈することがありません。
本作では父親は登場しないですが、親子愛や兄弟愛の深さが丁寧に描かれており、みんな悪魔に負けちゃダメだよと応援したくなります。
しかしホジソン家の間取りは、死霊館のペロン家ととても似通っており、既視感が拭い去れなかったことは残念でした。
また、本作の悪霊であるへそ曲がり男のビジュアルが、あまり親しみを感じられなかったりCG感が強いなと思ってしまいました。
へそ曲がり男が頼りない分、死霊館シスターが大活躍しますので、シスターがお好きな人には合う作品であることは間違い無いです。
アナベル死霊人形の誕生
怖さ ☆☆☆
グロさ ☆☆☆☆
ストーリー ☆☆
2017年に公開された『アナベル 死霊人形の誕生』は『アナベル死霊館の人形』がどのようにして生まれたのかを描くスピンオフ映画です。
愛娘を亡くしてしまったマリンズ夫妻は、1957年6人の孤児の娘達と、修道女のシャーロットを一時的に保護しました。
孤児のなかの一人であるジャニスは、左足が不自由で杖なしでは歩けず、他の娘達と上手く行っていませんでしたがリンダとだけは仲が良かったようです。
皆と外で遊べないジャニスは、孤独を感じながらも部屋ですごし、家の主人であるサミュエルが入ってはいけないと言っていた部屋に入ってしまいます。
そこは、女の子が過ごすような人形がたくさんある部屋でしたが、クローゼットにあったアナベル人形を発見してしまいます。
アナベル人形に取り憑かれてしまったジャニスは、一体どうなってしまうのでしょうか。
本作は、ジャニスやリンダなどの子供が主体となった作品であり、大人はなかなか悪霊の存在を信じてくれません。
そのため、ジャニスやリンダは一人で悪霊に立ち向かうシーンが多く、危なっかしい展開に終始はらはらさせられました。
しかし、物語のギアが入ってくるスピードが遅く、少し退屈な場面もあるかもしれないです。
ただし、後半での悪霊の攻撃は徹底的で手に汗握る展開が多く、楽しく鑑賞することができます。
また作中で「You are my sunshine」の曲が頻繁に流れるので、見終わった後はその曲が頭にこびりついて離れません。
死霊館のシスター
怖さ ☆☆☆☆
グロさ ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆
2018年に公開された、『死霊館のシスター』は、『死霊館』シリーズの中で一番古い時代の話で、1952年のルーマニアが舞台になっています。
ヴァチカン本部では、ルーマニアの聖カルタ修道院でシスターの一人が自殺を遂げた報告を受け、バーク神父と見習い修道女のアイリーンは調査に向かいました。
修道院に定期的に配送をしていたフレンチは、自殺したシスターをみつけた張本人でもあり、アイリーンとバークを森の奥にある 修道院まで案内してくれました。
自殺してしまったシスターの死体が動いていたり、血の跡が真新しく残っていたり、修道院には不穏な雰囲気が漂っていました。
三人は、修道院の修道長にあいますが、今修道院は忙しいから一晩泊まっていくようにと促されます。
そして、死霊館のシスターはアイリーンとバーク神父を襲い始めます。
『死霊館のシスター』は、とにかく死体がグロテスクでよくできていて、悪魔のビジュアルもとびきり怖かったです。
特に、棺桶に閉じ込められるシーンは、これだけは絶対嫌だと感じました。
はっきり言って死霊館シリーズの中で一番怖いと感じましたが、なんとG指定区分の映画なので子供でも視聴が可能です。
また、敬虔で祈りを欠かさないシスター達でも、ヴァラクの悪魔に勝てなかったことには衝撃を受けました。
ここでヴァラクを倒してしまったら、エンフィールド事件に繋がらないので、仕方ないと思うのですが視聴後もすっきりとした気持ちになれず恐ろしさが心の中に根深く残りました。
ラ・ヨローナ〜泣く女〜
怖さ ☆☆
グロさ ☆
ストーリー ☆☆☆
2019年に公開された『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』は、中南米に伝わる怪談を元にした悪霊と戦うお話です。
そのため、スペイン語を喋る登場人物が頻繁に登場し、悪霊を祓う儀式も他の死霊館シリーズと少し違うところもあります。
舞台は1973年ロサンゼルスで、夫を亡くしケースワーカーとして働くアンナは、児童虐待の報告を受け、パトリシアの家を訪問します。
子供達は奇妙な絵柄が書いてあるドアに閉じ込められていて、パトリシアは子供達を小部屋から出すことを拒みますが、アンナは子供達を施設に一時保護することになります。
しかし、その夜子供達は施設から脱走し、二人とも川で溺死をしてしまいアンナは大きなショックを受けました。
そして、アンナの子供であるサムとクリスの元にも、白いドレスを着たラ・ヨローナが現れ、水に近づくと襲われるようになります。
アンナは子供達を救うために、呪術医に頼りますが、アンナと子供達はどうなってしまうのでしょうか。
本作はG指定なので、グロい描写はないですがラ・ヨローナが勢いよく驚かせてくるのでしっかり怖さを感じます。
アンナが子供達に抱く愛情や、兄弟の仲の良さもあって、家族愛が強く感じられる構成になっています。
アナベル死霊博物館
怖さ ☆
グロさ ☆☆
ストーリー ☆
『アナベル 死霊博物館』は、『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』と同年に公開され、ウォーレン夫妻の娘であるジュディが活躍します。
ジュディはウォーレン夫人と同じように、幽霊が見えるようになっており、夫妻がたびたびテレビに出演しているので周りから冷やかしようなものもあり悩んでいました。
ある日ウォーレン夫妻が家を空ける機会があり、娘のジュディはシッターのメアリーと彼女の友達であるダニエラと一晩留守番をすることになりました。
ダニエラは、最近父親を亡くしており、こっそり地下室に忍び込み、幽霊と交信したいと思いアナベル人形の施錠を解いてしまいました。
頼れる大人達がいない中、ジュディとメアリーとダニエラは、恐ろしい悪霊達と戦いますが無事に朝を迎えることはできるのでしょうか。
本作は、呪物が保管されている地下室の悪霊達が、一斉に登場するので、幽霊が常に登場する構成になっています。
しかし、G指定で子供もでも見れる映画になっているので、悪霊達にそこまで恐ろしさを感じずグロい描写もほぼありません。
悪霊達がでてきて追い払い、一難去ったと思ったらまた悪霊が現れるというパターンが続くので、少し退屈に感じる人もいるかもしれないです。
やはり、ホラー映画で子供達だけがワーワー驚いているだけだと、緊張感を感じにくいなと思いました。
しかし、死霊館シリーズはやはり家族愛や困難からの立ち直りを丁寧に描いているので、ダニエラが父親の死を乗り越え前向きになっていく描写は良かったと感じます。
死霊館 悪魔のせいなら、無罪。
怖さ ☆☆☆
グロさ ☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆
2021年に公開された『死霊館 悪魔のせいなら無罪。』は、実際にコネチカット州で起こったアニージョンソン事件を元に作られた映画です。
1980年、ウォーレン夫妻は悪魔に憑かれてしまった、デイビットという少年の悪魔祓いを行いました。
悪魔の力は強力で、エドは心臓発作を起こしてしまい、デイビットに取り憑いた悪魔は、デイビットの姉の婚約者であるアニーに乗り移っていまいました。
アニーは度々幻覚を見るようになってしまい、精神的に疲弊し、とうとう家主のブルーノを刺殺してしまいます。
ウォーレン夫妻は、アニーが悪魔に取り憑かれてしまったため無罪を主張しますが、悪魔の存在を証明しないと裁判で勝てないことがわかりました。
何者かが人間を生贄にする、呪いの儀式を行っていることを知ったウォーレン夫妻は、透視能力を使って犯人の足取りを追います。
本作は従来の死霊館シリーズと同様に、悪魔の恐ろしさを折り紙つきですが、さらにミステリー要素も豊富で楽しめました。
前半は、デイビットの悪魔祓いのシーンや、アニーが悪魔に憑かれて殺人をしてしまうシーンは恐ろしく身の毛がよだちました。
後半は、ロレインの透視を行い、いつ悪霊が現れるかわからないヒヤヒヤ感がたまりません。
一番最近に作られた映画なので、特殊メイクも迫力があり、呪いを行う祭壇の小物はまるで本物のようでした。
また、ディビットの体のそり具合は、エクソシストのオマージュなのかなとも感じました。
話のテンポも良く、謎を解いていく過程を楽しめるので、映画を見ていて退屈に感じる場面が全くありませんでした。
呪いの儀式を行っていた、アイラの存在感も、シスターのように恐ろしい形相はしていないですが怖さを感じました。
さいごに
死霊館ユニバース8作品を、全部鑑賞してみたのですが、どれも面白くてホラー好きの人にはぜひみてもらいたいと思う作品ばかりでした。
良質なホラーを確実に量産できる、ジェームズ・ワン監督は本当に敏腕だなと感じました。
新作も2023年に公開されますが、早くみてみたいと感じました。
アマプラでしたら、過去8作品を視聴することができるので、是非チェックしてみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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