【窓ぎわのトットちゃん】生きづらさを感じる人に見て欲しい!一緒にみてきた子供の反応と感想も

【窓ぎわのトットちゃん】生きづらさを感じる人に見てほしい!一緒にみてきた子供の反応や感想も 映画

2023年12月は、ディズニー映画【ウィッシュ】や人気アニメ【スパイファミリー】の映画が公開されアニメ映画が多かったように感じます。

さらに、【鬼太郎誕生ゲゲゲの謎】が延長上映され、新作の映画が公開されるのを待つ中、12月8日に【窓ぎわのトットちゃん】は公開されました。

最初は特に注目されていなかった【窓ぎわのトットちゃん】ですが、SNS上の「泣ける」「感動した」という口コミから、徐々に劇場に足を運ぶ人が多くなっていきました。

個人的には、黒柳徹子さんの原作エッセイを読んだことがありますが、イマイチ良い印象がありませんでした。

しかし、娘に【窓ぎわのトットちゃん】の映像を見せると、みてみたいと言ってくれたので、6歳の娘と4歳の息子と一緒に見に行くことにしました。

本記事では、映画【窓ぎわのトットちゃん】を鑑賞してきた30代の母と6歳の娘、4歳の知的障害のある息子の反応と感想をまとめてみました。

窓際のトットちゃんのあらすじ

トットちゃんは、小学校に入学したばかりの元気いっぱいの女の子。

本当は徹子という名前ですが、上手く発音できなかったので、父親が愛情込めてトット助と呼ぶようになったことで生まれた愛称でした。

しかし、元気すぎるトットちゃんは、授業中は落ち着きがなく机を開けたり閉めたり先生のいうことをきかず注意されます。

さらに、楽しそうなことがあるといてもたってもいられず、窓際まで行ってちんどん屋さんを呼んでしまいもう授業になりません。

別の学校へ行くように言われてしまったトットちゃんは、電車に乗って自由が丘にあるトモヱ学園まで行くことになりました。

電車が教室になっているトモヱ学園は、トットちゃんの想像力を存分に引き出し、すぐにトットちゃんはトモヱ学園を好きになりました。

生徒たちに自主的な行動を促し、音楽を使った指導を行う校長先生の小林先生は穏やかにトットちゃんを見守ってくれます。

そして、個性豊かな学友の中には、小児麻痺で右足と左腕が動かない泰明ちゃんもいました。

果たしてトットちゃんは、どんな学校生活を送るようになるのでしょうか。

子供でも楽しめる素晴らしい作画

娘に【窓ぎわのトットちゃん】のイメージシーンを試聴させてみたのですが「面白そう!みてみたい!」と言ってくれたので劇場に足を運ぼうと決意しました。

12万枚もの作画枚数を費やした本作ですが、日常的な子供の動きも、幻想的な世界も全て美しく描いていました。

大人も子供も楽しめる映像で、本当に素晴らしかったです。

岩崎ちひろを彷彿させる想像の世界

上記で体裁したイメージシーンも素晴らしいですが、泰明ちゃんがプールに潜るシーンでも岩崎ちひろさんの絵本を思わせるような想像世界が広がります。

まるで水彩絵の具を落としたかのような淡い色合いと、子供の時に慣れ親しんだ岩崎ちひろさんの子供が自由に泳いでいるのを見て感動しました。

娘も息子も突然始まる幻想世界に、目を丸くしてスクリーンを見てくれていました。

子供でも大人でも楽しめる、動く芸術だなと感じました。

子供のしぐさの観察眼の鋭さ

トットちゃんの動きは、6歳の娘の動きと全く同じでスクリーンで見た時に本当に驚かされました。

笑ったり泣いたり、パンを美味しそうに食べたり、トットちゃんの表情と動きは見ていて飽きなかったです。

また、セリフのない子供達の動きも、一人一人しっかりと動きいきいきしていたのでとても良かったです。

さらに、物語の主要人物である泰明ちゃんは右足と左腕が動かないのですが、麻痺のせいで力が入らない様子もよく描かれていました。

初めてトットちゃんと手を合わせるシーンや、雨のなかぴょんぴょんと跳ねる様子などは、泰明ちゃんの心の動きに合わせて反応しているようにみえました。

小林校長先生から学ぶ教育

子供を育てていると、なんでも手伝ってあげたい衝動に駆られることが度々あります。

ここはこうやってやるんだよ、ここの答えはこうだよと、誰よりもおせっかいになってしまうことばかりです。

しかし、【窓ぎわのトットちゃん】に登場する小林校長先生のように、子供たちが自ら答えを自分で見つけらられるように導いてあげることが大切なのだと再確認させられました。

子供の話をじっくり聞く

小林校長先生は、トットちゃんが初めて学校に来た時、4時間もの間話を聞き続けたそうです。

トットちゃんのお母さんは、二人が延々と話し続けるのを、喫茶店でイライラしながら待っていましたがその気持ちは痛いほどわかりました。

それにしても、4時間も延々と話続けられるなんて、トットちゃんの話の引き出しの多さと感受性の豊に驚かされます。

そんなトットちゃんの長所がわかっていたからこそ、小林校長先生はトットちゃんの話を聞き続けることができたのだと思います。

そして一番最後に、トットちゃんが自分が他人と違う不安を吐露すると、「君は本当はいい子なんだよ」と励ましてくれるところには涙を流さずにはいられませんでした。

自分で考えさせるやらせる

小林校長先生は、音楽を使ったリトミックや、生徒が自主的に勉強をさせられる環境を整えていました。

また、皆が持ってきた弁当のおかずが「山のものか?海のものか?」生徒たちに考えさせることで、自分たちが食べているものがどのようにできているか確認させるのも良いアイディアだと感じました。

そして、トットちゃんがぼっとん便所にお財布を落としてしまった時も、小林校長先生は様子を見にくるだけで決して手を出そうとしませんでした。

こういう時、親だったらつい助けてしまいそうですが、自分の尻は自分で拭かせないと大人になった時に大変だということは火をみるよりも明らかです。

泰明ちゃんの存在

黒柳徹子さんのエッセイ【窓ぎわのトットちゃん】では、泰明ちゃんの存在は触れる程度しか話されていませんでしたが、映画では主要人物の一人として描かれていました。

押しが強いトットちゃんと、賢いけれども皆と交流するのを躊躇してしまう泰明ちゃんのコンビが、お互い成長していく姿がとてもよかったです。

ちなみに泰明ちゃんは、中川翔子さんの遠い親戚だそうです。

二人で木に登る

ハンディキャップを持つ子は、どうしても周りの配慮が必要になることがあり、特に賢い泰明ちゃんは皆に気を使わせることを悪く思っていたみたいです。

しかし、トットちゃんは泰明ちゃんに木に登って欲しくてたまらなかったみたいです。

まだ小学生で小さい二人が、梯子を変えたり、押す方向や引っ張り方を変えたり試行錯誤を重ねて木に登る姿は思わず応援したくなりました。

人に頼ることと頼られることは、生きていく中でとても大切なことなので、子供に二人が木に登る場面を見せることができてよかったと思います。

よくできたストーリーラインだけど…

先述しましたが、黒柳徹子さんの原作エッセイを中学生の時に読んだことがあるのですが、根本的に周りが見えてない文章であまり好きになれませんでした。

常に「自分はこうだった、自分はこう思った」という話が続いていくのですが、映画ではトットちゃんの家族も友達も小林校長先生も詳しく描かれておりとても見やすかったです。

90歳の黒柳徹子さんにとってはすでに戦争は印象

映画【窓ぎわのトットちゃん】では、エッセイとは異なり、トットちゃんの目線からみた戦争が描かれていました。

実は【窓ぎわのトットちゃん】を鑑賞する前に水木しげるさんの『総員玉砕せよ!』を読了していて、どうしても比較してしまう部分がありました。

二つの作品を比べてしまうと、トットちゃんがみた戦争というのは本当に印象部分だけで語られてしまっているなと感じました。

例えば、街中で服装を咎められたことや、青森で疎開したことは本当のことだと思いますが、兵士たちが見送られる花道の真ん中を走っていったのはどう考えてもフィクションだと感じます。

ここで泣いてくださいとでもいうような演出が、少し残念だったと感じます。

その見送られた兵士たちは、家族のために命を落としていったことが『総員玉砕せよ!』で描かれていますが、戦争の問題は決して悲劇だけでは終わらせてはいけない問題だったのではと感じます。

生涯を福祉や平和のために尽力されてきた黒柳徹子さんだからこそ、戦争の惨状について伝えたいことがったのかもしれませんが、よく考えると戦争についてあまり記憶になかったのではと感じます。

最初は面白かったけど…

6歳の娘は、【窓ぎわのトットちゃん】は最初は面白かったけど最後はあまり面白くなかったと話していました。

4歳の知的障害を持つ息子には、最初からキョトンとした顔でみていましたが、最後は眠り込んでしまいました。

鮮やかな色彩と、自分たちと年が変わらない子供達のお話なので、最初は子供にとって感情移入しやすかったと思いますが、後半は子供の目線と上手く噛みあってなかったのではと感じます。

戦争についての話は、子供達にとっては馴染みがないので、母親からしっかり説明する義務が課せられます。

しかし、子供に世界で大きな戦争があったことを、知ってもらう良い機会になるのではと感じます。

さいごに

映画【窓ぎわのトットちゃん】は、子供でも親でも楽しむことができる映画でした。

時々娘と「よ〜く噛めよ〜♪食べ物を〜♪」と歌ったりと、親子の仲を深められる映画かと思います。

今育児で悩んでいる人や、生きづらさを感じている人にもおすすめの映画です。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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