「私たちは誰で、どこから来て、どこへ行くのか」という言葉は、映画【天使のたまご】の中で、青年が口にする印象的な言葉です。
先日聖書のヨナ記を読んでいて、この言葉と近い言葉を見つけました。
また、青年と少女は「あなたは誰?」「君は誰だい?」という問いをお互い繰り返しています。
本記事では、聖書の物語をヒントに難解と言われる映画【天使のたまご】の物語の謎にせまり考察してみました。
青年は、「私たちはどこから来てどこへ行くのか」「鳥なんて最初からいなかったのではないか」と言いますが、鳥の化石を見てから青年の態度は一変します。
青年はいきなり、少女の大切なたまごを否定するようになり、さらには卵を割ってしまったのはなぜだったのでしょうか。
私たちは誰でどこから来てどこへ行くのか?
「私たちは誰でどこから来てどこへ行くのか」という言葉は、聖書にはそのままの文章で載ってはいませんが、近い言葉で語られている文章が二つありました。
そのなかでも、ヨナ記で語られた文章は興味深いと感じました。
聖書で語られるヨナの話は、実に興味深いもので、聖書の中では神様の命令には絶対服従なのにヨナは珍しく神様の命令に背いた人物として語られています。
ヨナは神様から伝道に行くように命令されましたが、嫌だったので船に乗って逃げようとしました。
しかし、神様の怒りに触れて海は荒れて船は転覆しそうになり、船員たちは祈ったり積荷を下ろしたりしましたが、ヨナは船の奥で熟睡していました。
船長はヨナを起こし、海が荒れている原因をくじをひいて決めるといい、見事にヨナが当たりくじを引き当てました。
この災がだれのせいで、われわれに臨んだのか、われわれに告げなさい。あなたの職業は何か。あなたはどこから来たのか。あなたの国はどこか。あなたはどこの民か
引用:ヨナ記1章8節 https://www.wordproject.org/bibles/jp/32/1.htm
ヨナは、自分が神様の命令から逃げてきたことを話し、自分を海に投げ込んで欲しいと船員たちに言います。
船員がヨナが海に投げ込まむと、大きな魚がヨナを丸呑みにし、荒れていた海は穏やかになったそうです。
ヨナは魚の中で三日三晩祈り、罪は許され伝道に戻っていったそうです。
また、ヨハネ書8章14節ではイエス・キリストがこう言っています
わたしのあかしは真実である。それは、わたしがどこからきたのか、また、どこへ行くのかを知っているからである。
旧約聖書のヨナが、自分が誰でどこに行くのか知らなかったので、船員に問われる形をとり、イエス・キリストは自分自身が誰でどこからきたのか知っています。
映画【天使のたまご】では、鳥に出会う前は青年はヨナのように何もわかっていませんでしたが、鳥に会ってからは自分の目的がはっきりして行動に移したのではと推測されます。
神様がいない世界
映画【天使のたまご】の世界は、ノアの方舟の物語で、水がひかず神様からの救済が得られなかった世界です。
長い時間をかけて遠い場所からやってきた青年は、自分が誰でなにを目的にしているかわかっていません。
しかし、手の傷や背負っている十字架から、彼がイエス・キリストをモチーフとしていることがわかります。
鳥の化石を見た青年の反応
青年は少女に、鳥なんて本当は初めからいなかったんじゃないかともらすと、少女は青年を鳥の化石の前に連れていきます。
実は、ノアの方舟で洪水がひいたのを教えてくれたのは鳩で、イエス・キリストが洗礼を受けた時に降ってきたのも鳩だったのです。
失ったと思った神様の存在を、化石として目にしたことで、青年は本来の目的を思い出しました。
自分が誰でどこから来て、どこへ行くのかわかった青年は、少女がもっていた卵が偽物であることに気づきます。
そして、少女が寝ている間に卵を割ってしまったのです。

なぜ少女は海に落ちたのか


少女が寝ている間に、街の水はどんどん溜まっていき、洪水のようになってしまいました。
少女が起きると、卵は無惨に割れてしまっており、少女は泣き崩れます。
青年を追っていきますが、地上が割れ海の中に落ちていってしまいました。
ヨナ記でも、神様の怒りを沈めるために罪を犯したヨナは、海に沈められましたが、少女も同じように落ちてしまいました。
そして、海の中の女と一体になると、地上は凪いでまた平穏が訪れました。
このように、聖書の話を組み合わせることで、映画【天使のたまご】という世界は作られたのではないでしょうか。
さいごに
映画【天使のたまご】をヨナ記の聖句を使って考察してきましたがいかがだったでしょうか。
謎が多い映画ですが、鑑賞するたびに新たな発見があり、何度でも考察をねりたくなる作品でもあります。
4K版だと、映像の細部までみることができるので、興味があれば映画館で鑑賞してみてくださいね。
最後まで読んんでくれてありがとうございました。




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