ジョニー・デップ復帰作【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】の感想は?フランス大河ドラマ?

ジョニー・デップ復帰作【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】の感想は?フランス大河ドラマ? 2024年映画

2024年2月2日、裁判で芸能活動を休止していたジョニー・デップは、【ジャンヌ・デュバリー 国王最期の愛人】で復帰しましたので映画館に彼を拝みに行くことにしました。

フランスで高く評価され、世界的ブランドであるCHANELがドレスをデザインした【ジャンヌ・デュバリー 国王最期の愛人】ですが、感想としてはフランス版大河ドラマだと感じました。

個人的に、大河ドラマが好みではないのですが、物語は単調で起伏は少なく、国王ルイ15世とデュ・バリー夫人がいちゃいちゃしているのを見せつけられているようでした。

しかし、絶世のカリスマ性を持ったルイ15世を演じるジョニー・デップの存在は、終始目を惹きつけられました。

昨年還暦を迎えたジョニー・デップは、やはり年相応の衰えを感じますが、くすっと笑わせるような演技で場を和ませ、キュートで魅力的で俳優としてまだまだ力があることがわかりました。

本記事では、【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】を鑑賞した感想と、ジョニー・デップの魅力について語っていきます。

【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】の概要

【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】は、私生児から国王ルイ15世の公式の妾にまで出世した、ジャンヌ・デュ・バリー伯爵夫人の半生を描いた作品です。

主人公のジャンヌは、監督であるマイウェンが演じており、ルイ15世役はアメリカ人のジョニー・デップが演じています。

考えていたデュバリーとはかけ離れた姿

ポスターには、『ヴェルサイユ史上最大のスキャンダラスな愛』と書いてありますが、スキャンダラスなことは特に起こりません。

しばしば「悪女」として扱われるジャンヌですが、本作では無邪気でごく普通の女性として振る舞われ、ルイ15世とひたすらいちゃいちゃします。

なんで男性との絡みしかうつさないのか

【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】では、ジャンヌの人間性の良さを写すシーンが男性関係ばかりなのがなんだか甘ったるくて歯痒かったです。

ジャンヌは娼婦であり、男性との繋がりが固かったのはわかりますが、夫の息子や黒人小姓のザモール、王太子との仲の良さに焦点をあてるのは違和感がありました。

彼らは、初登場時は若いのですが、物語が進むにつれて大人になっていき、どこか色恋の関係を匂わせるような目線を感じてしまいます。

また、ザモールについてはその後革命軍として王家に反旗を翻しているので、デュ・バリー夫人との仲が良好だったとは考えにくいようにも感じました。

もちろんデュ・バリー夫人は娼婦であったため、男性との関係を上手く使いながら出世をしていったそうですが、その反面慈善事業にも力を入れていたという情報もあります。

もともと私生児であり、貴族の出身でなかったデュ・バリー夫人は、庶民の生活がよくわかっていていたのかもしれません。

また、これほどまでに出世の階段を駆け上った彼女が、男性としか交流をしていなかったとは考えにくいようにも感じます

ドレスがシンプルすぎる…

緑色のコートを着るデュ・バリー夫人
引用:https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/g43900490/76th-cannes-jeannedubarry-2023-230516/

上記の写真を見てほしいのですが、デュ・バリー夫人だけまるで20世紀からやってきたような服装をしていて、鑑賞中何度か驚かされました。

髪の毛を下ろしたり、ラフな格好を好むのは良いのですが、服装が現代によりすぎているように感じます。

CHANELが衣装製作を担当したと、積極的に宣伝をしていましたが、ロココとはかけ離れたシンプルなドレスが多く、思っていた衣装とは違っていたようで肩透かしを感じました。

衣装の質感はもっと安っぽくてもいいので、とにかくふりふりとしたレースやオーバーに裾を膨らませたゴージャスで派手なドレスをみたかったなと感じます。

ただし、ルイ15世を含め男性の衣装は、派手でフリルが多く貴族のようでよかったと感じました。

ジャンヌ・デュ・バリー夫人のイメージを大事にして欲しかった


絵画:エリザベート・ヴィジェ・ルブラン 「デュ・バリー夫人の肖像」
Marie Louise Élisabeth Vigée-Lebrun, Madame Du Barry, 1781.
絵画:エリザベート・ヴィジェ・ルブラン 「デュ・バリー夫人の肖像」 Marie Louise Élisabeth Vigée-Lebrun, Madame Du Barry, 1781.

デュ・バリー夫人は、金髪でふくよかで上品で物腰が柔らかい印象の女性だったと、いくつかの回顧録では語られています。

豊かな巻き毛と、柔らかい物腰で優しそうに微笑むデュ・バリー夫人の印象が強いせいか、本映画のデュ・バリー夫人はなんだかツンツンしていて気が強そうに感じました。

少なくとも、デュ・バリー夫人を演じたマイウェンは、もう少しふくよかでもよかったのではと感じます。

髪の毛は下ろしていたいと、何度か呟いていたデュ・バリー夫人ですが、だらだらと肩にかかる髪の毛は現代人からみてもちょっとだらしなく感じてしまうほどでした。

ジョニー・デップだけが癒し

本映画を鑑賞してから、改めてジョニー・デップのインタビューを拝見したのですが、彼の演技にかける情熱が強いことを実感させられました。

言葉に何度か詰まることもあるのですが、必死に役に対する思いを熱く語ってくれるジョニーの姿は本当に魅力的でした。

役に対する想いが強いので、監督のマイウェンと何度か衝突することもあったそうですが、ルイ15世の演技に関してはチャーミングで品格のあるルイ15世になりきっていたと感じます。

ジョニー・デップは俳優としてまだまだ頑張ってほしい

ジョニー・デップは、物語がパッとしない映画でも、その存在感で高評価を得てきた俳優だと思います。

実際に、パイレーツ・オブ・カリビアンは、ジョニー・デップ演じるジャックがいなければ映画として大成功をおさめることなどできませんでした。

ジョニーは、セリフがなくてもちょっとした表情や手の動き、特に目で訴える演技が抜群に上手いです。

そのため、ジョニーが微笑むとこちらまで笑いが溢れ、怒って部屋に入ってくると息をしずらいような圧迫感を感じました。

臨終間近に「je taime(ジュテーム)」と囁かれた時は、思わず涙が溢れそうになりました。

裁判で長い間スクリーンに立つことができなかったジョニー・デップですが、今後も活躍してほしいと切に願っています。

さいごに

ジョニー・デップ復帰作【ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人】の感想をまとめてみましたがいかがだったでしょうか。

フランス語で優雅に喋る、ジョニー・デップがみてみたいなら、是非映画館に足を運んでみてもいいかもしれません。

ベルサイユ宮殿の豪華さには目を奪われましたが、衣装はもっと派手でもよかったのではと感じることも多々ありました。

少なくとも、デュ・バリー夫人はもっと柔らかい印象の人に演じてもらいたかったと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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