2024年8月9日、毎年日本中の子ども達が注目するクレヨンしんちゃんの映画が今年も公開されました。
映画【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】は、題名どおりしんちゃんと謎の恐竜ナナと一緒に一夏を過ごすというお話でした。
今回、50代の実母と30代の母と、小学生1年生の娘と5歳の息子と観にいったのですが、子供達は満足していましたが大人にとってはなんとも言えない空気でした。
途中恐竜達が、モーニング娘。の「LOVEマシーン」を歌って踊り始めた時は、実母も私も苦笑してしまいましたが、それ以外に大人にとって笑えるシーンはありませんでした。
ナナのかわいらしさや、恐竜の迫力はリアルだったと思いますが、ストーリーもテンポもグダグダで子供でも笑えないギャグシーンもありました。
基本的にクレヨンしんちゃんは、子供の映画なので子供が満足できればいいのですが、あまりにも完成度が低かったので、良かった点と悪かった点を本記事ではまとめてみました。
【クレヨンしんちゃん オラの恐竜日記】
公式ホームページ→https://www.shinchan-movie.com/2024
しんちゃんは夏休みを楽しみにしていて、海に行きたい虫取りしたい、バーベキューをしたいと父のひろしに頼みますが、ひろしは仕事が忙しそうでどこにも連れていってもらえません。
そんな時、本物の恐竜に出会えるというディノズアイランドが東京にオープンし、お金持ちのあいちゃんのつてでカスカベ防衛隊はメンバーは特別に招待されることになりました。
一方、しんちゃんの飼い犬であるシロは、散歩中に謎の生き物を見つけ、しんちゃんに世話をして欲しいと野原家に連れて行きます。
しんちゃん達は、バナナを好んで食べるその生き物を「ナナ」と名づけ、夏休みをナナと一緒に楽しみ充実した日々を過ごします。
しかしナナは、実はディノズアイランドから逃げてきた恐竜で、ディノズアイランドの創始者であるバブル・オドロキーとその娘であるアンジェラはナナを探していたのです。
ナナのキャラクターは子供に大好評!

【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】に登場するナナは、声優は水樹奈々さんが担当しており、とても可愛い声で縦横無尽に動くので子供達には大好評でした。
ナナは、水の中で泳ぐのに便利な大きな背ビレと、さらに強靭な顎を持ったスピノサウルスの子供であることがあとからわかります。
水の中で活躍していた過去からなのか、初めてシロと会った時も川のそばにおり、プールでもスイスイと泳ぐナナを見てカスカベ防衛隊のみんなは「ナナは泳ぐのが上手だね」と話していました。
また、蝶々などの動くものをみると、肉食恐竜の本能が目覚め凶暴化するのもスピノサウルスの特徴をしっかり描写しています。
このように、子供達は【クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記】を見るだけで、スピノサウルスの特徴について理解できるのではと感じます。
立て髪や背中のヒレが特徴的なスピノサウルスは、実物は恐ろしくいかつく凶暴に見えますが、ナナは子供にも親しみやすいようにかわいくデフォルメされています。
シロの顔を舐めたり、一緒に追いかけっこしたり、微笑ましい場面も多かったです。
実際に、小学校1年生の娘も「ナナかわいかったね!」と、映画視聴後に何回か話していました。
恐竜の迫力がすごい
【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】を鑑賞している時、息子が膝の上に乗ってきて、重くて大変でした。
なぜ息子が膝に乗ってきたのか考えてみると、おそらく出てくる恐竜が皆リアルで目がギョロっとしており、息子にとっては怖かったのではと感じました。
恐竜を扱ったアニメとしては【ドラえもん】の映画シリーズでもよく見られますが、目がアニメで描かれるように丸みを帯びていたり、多少デフォルメされています。
しかし、本作ではナナ以外の恐竜は皆ウロコや体のシワ、鋭い牙や爪などもしっかり描かれているのでちょっと怖いと感じる子供もいるかもしれません。
また、近年の研究の成果が取り入れられているのか、羽毛が生えている恐竜もいたり、緑や赤や灰色など爬虫類のような色合いの恐竜が多く見られました。
恐竜の正体
ここからはネタバレになってしまうのですが、【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】のディノズアイランドの恐竜は、実は全部ロボットであったことがわかります。
そのため、どれだけ恐竜がリアルであっても、「ジュラシックパーク」のシーンがオマージュされていても「この恐竜全部ロボットなんだ…」と思うとなんだか冷めた気持ちになってしまいました。
ロボットのため、ナナの特徴をスコープのような目から確認して捕獲していたのですが、みさえのお尻の大きさなども確認できるほど高性能のようです。
しかし、しんちゃんたちが恐竜の着ぐるみを着るだけで、認識機能が鈍ってしまったりちょっと辻褄が合わない部分もでてきます。
そして、ロボットにしてはモーニング娘。の「LOVE マシーン」を歌って踊ってみたり、コミカルで生きているような動きをしています。
さらに、みさえとひろしは自分達と同じかそれ以上の大きさの恐竜を、軽々と投げてしまったりするのでロボットだけど重さなどはどうなっているんだろうと不思議でした。
ストーリー性は皆無
【クレヨンしんちゃん】の映画は、子供向けの映画なので、子供さえ満足できればその映画は成功かと思います。
しかし、話の筋はある程度通して欲しかったと【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】を鑑賞して痛感しました。
まず、バブル・オドロキーの部下であるアンモナー伊藤のミスで、恐竜ロボット達を逃してしまうのですが、特にアンモナー伊藤を責めることはなく、自暴自棄になって東京を破壊し始めます。
恐竜ロボットを作り出すだけでも、偉大な功績であったと思いますし、悪いことをしてしまったら謝罪すればいいのに、自暴自棄になってしまう展開は少し無理があると感じました。
また、子供達の絆を無理やり描こうとしたのか、後半はアンジェラとビリーの衝突を描いているのですが、ビリー役の北村匠海さんがあまり声優になれていないので迫力がありませんでした。
後半は無理やりナナが発狂する機会を作ったり、いったい誰がなんでそういう行動するのかがよくわかりませんでしたが、あるキャラクターを酷い目に合わせることで感動的なラストにさせてしまったのはちょっとどうなのかなと思いました。
さいごに
【クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記】の良かった点と悪かった点についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
子供が見るには、楽しく見れる映画なのですが、後半は誰も笑っていなかったのが印象的でした。
幼稚なストーリー構成にしても、【クレヨンしんちゃん】のネームバリューは強いので、必ず観客は入ると思いますが、高学年の子供にとってはつまらないと感じる子もいるかもしれません。
これからも、子供からも大人からも愛されるしんちゃんであって欲しいので、ある程度のストーリー性は保って欲しいと感じました。
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