2025年8月29日、映画【8番出口】が公開されると、つまらなかったという意見と面白かったという感想がSNSに浮上してきました。
同名ゲームを実写化した映画【8番出口】は、カンヌ国際映画祭をはじめ国際的な映画祭に出品され注目を集めていました。
今回映画料金が安くなる1stデーに、午後8時から映画館に訪れたのですが、ぞくぞくと若い人たちが来館してきて、館内は和気あいあいとした雰囲気でした。
鑑賞してみた感想としては、圧巻の迫力とカメラワーク、音響も脚本も完成度が高かったので初めから終わりまでずっと楽しめました。
SNSでは物語がないという声が多かったですが、「命を大切に」という熱いメッセージを受け取ることができたので、観た後は心の中が暖かい気持ちでいっぱいになりました。
【8番出口】のあらすじ
男はいつも通り派遣先へ行くため、地下鉄に乗り車両の中でスマホをいじっていると、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
いらついた男性が母親を注意し、車内は険悪な雰囲気でした。
男は一度イヤホンを耳から外しましたが、自分には何もできないとまたイヤホンをつけ直すと、今度は彼女から電話がかかってきました。
男は彼女の電話を無視しましたが、電車を降りた時にもう一度着信があり、仕方なく電話を取るりました。
男と彼女は別れる予定でいたのですが、なんと彼女が妊娠して調子が悪いことを知らされてしまいました。
男は慌てふためき、うまく受け答えができず、しかも電波も途切れ途切れで彼女の心情を上手くきくこともできず、また連絡するといい地下鉄の出口を探しました。
しかし、どんなに歩いても出口に辿り着くことはできず、【出口8】看板と同じ景色、無表情のおじさんが反対側から歩いてきて何度もすれ違い、同じ場所をぐるぐると歩き回っていることに男は気付きました。
そして壁に貼られたインフォメーションには、地下通路に異変がなければそのまま進み、異変があれば来た道を引き返すように書かれていました。
正しく通路を抜ければ、出口は1番、2番と進んでいき最終的に8番出口に行けば、地下通路から脱出することができ、間違えれば0番からやり直すことになります。
男は進み方を間違え気が狂いそうになりながらも歩き続けますが…。
迷う男をしつこく追い回すカメラワーク
映画【8番出口】は、二宮和也さんが演じる「迷う男」を中心に物語が進んでいきますが、一番最初にスクリーンに映し出されたのは、二宮さんの顔ではなくスマホでした。
人気俳優の二宮さんの顔を一切映さず、無心にスマホをスクロールする指と液晶画面だけがスクリーンに映し出され、まるで自分が映画の中に吸い込まれたような不思議な感覚がありました。
そのため、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた時、それはまるで自分に実際あったことかのように感じることができました。
導入から観客に臨場感を味わせるカメラワークは、巨匠溝口健二からの影響もあり、登場人物を中心にぐるぐる回ったり、とても面白い見せ方でした。
逃げても見ないふりをしても、カメラがしつこく演者をつけ回すので、何もないシンプルな空間なのに緊張感が常に付き纏っていました。
不安感を最高に盛り上げる音楽
映画【8番出口】の音楽は、Perfumeなどをプロデュースしてきた中田ヤスタカさんと、Eテレの音楽番組「ムジカカッピッコリー」などで音楽を提供してきた綱守将平さんです。
地下通路で時々聞こえる「ピーンポーン」という音は、よく聞くと音楽になっており、まるで地下通路が感情を持ち呼吸をしているかのような感覚に陥ります。
俳優の演技を邪魔することなく、地下通路が持つ恐怖を最低限の音で組み合わせてBGMにしてあるので、二人の音楽家としての力量に感銘を受けざるを得ませんでした。
また、冒頭から流れるラヴェルのボレロや、ドビュッシーの夢はとても印象的で、鑑賞した後車の中でBGMにしてしまったくらい気に入りました。
迷う男が彼女と話す時、必ず夢が一小節流れるのですが、うっとりした気分になり、彼女を演じる小松菜奈さんの面影が遠くに映って儚げでとても良かったです。
地下通路がだんだん生き物に見えてくる
映画【8番出口】の川村元気監督は、8番出口の看板を【2001年宇宙の旅】に登場する、コンピューターのHALのような存在にしたいと話していました。
確かに映画が進んで行くにつれて、地下通路は生きていて、迷う男の反応を楽しんでいるかのような感覚を味わいました。
常に誰かに監視されていて、落ち着くことができず、次第に中にいる人たちは正気でいられなくなっていくのは映画【シャイニング】と似ていると思いました。
また、ぐるぐると同じ流れを繰り返すのをみていると、女性の生理周期などと似ていて、迷う男が子宮の中に戻り右往左往しているように感じました。
個人的にはオチが好き
映画が終わった時、会場内では「最後わからない」という声も聞こえてきましたが、個人的には納得のいく終わり方で本当に良かったと思いました。
ハッピーエンドにも見えるし、バッドエンドにも見えるし、もしかしたらまだこの後何かが続くような終わり方だったのが邦画にしては上出来だったと思います。
ただ地下通路を回り続けるというシンプルな設定で、命の大切さについて真正面から向き合い、その重要性について熱く語ってくれた映画だと感じました。
さいごに
映画【8番出口】の良さについて、簡単にまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
2025年で鑑賞してきた映画の中で、一番カメラワークが良く脚本が寝られていた作品だと感じました。
映画館で鑑賞すると、何度も驚かされる場面が出てくると思うので、ぜひ映画館で鑑賞してみて苦だしね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。


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