2023年上半期 自信をもっておすすめできる漫画5選

2023年上半期 自信をもっておすすめできる漫画5選 おすすめ

日本には数多くの漫画が出版されていますが、1年や半年でその流行は目まぐるしく変わっていきます。

本記事では、2023年上半期に読んだ最高に面白い漫画5選を紹介していきます。

これから日本の漫画界に大きな流れを起こして欲しい、まだ世の中に出回っていないけれどもこれから間違いなく面白い漫画だけを厳選しました。

読んだらハマること間違いなしなので、是非最後まで読んでもらえると光栄です。

チ。ー地球の運動についてー

「チ。地球の運動について」は、天動説が絶対的な信仰であった15世紀ポーランドで、地動説を命がけで追求する人たちの物語です。

日本は仏教が主流の国ですが、中世ポーランドではキリスト教がルールであり習慣であり学問であり、平民から貴族まで深く信仰されていました。

例えば、日本ではふざけてお経を唱える真似をしてもそこまで怒られたりしませんが、キリスト教では「神の名をみだらに唱えてはいけない」という教えがあります。

人間を神だとふざけて言っただけでも場が凍りつく
引用:魚豊「チ・ー地球の運動についてー」小学館

そのため、人が神様と同じような力を持つことは驕り昂っていると見なされ、天は地上よりも崇高な存在だったので天動説はキリスト教の信仰とともに絶対的な理論となっていました。

しかし、一部の学者や観測者は、火星が進路を逆行したり、天動説では証明できないほど複雑に星が動いていることに気がついていたのです。

そして、天が回っているのではなく地球が回っているのではないかという、地動説がまことしやかに囁かれるようになりました

地動説は異端の学問とされと呼ばれ、証明をしようとしたものはことごとく拷問された後火炙りにされてしまいました。

それでも地動説に魅入られた人たちが、命がけで地動説を後世に伝えていくという物語になっています。

昨年、「このマンガがすごい!2022」や手塚治虫文化賞のマンガ大賞に選ばれた本作は、マッドハウスによって2023年にアニメ化が決定されています。

「チ。ー地球の運動についてー」は2023年にアニメが公開される予定です。

この漫画のすごいところは、登場人物の全ての人間が、神様を深く信仰しているところです。

中世ヨーロッパのカトリックは、この時にはもう免罪符などが発行され、キリスト教が人々の暮らしを守るよりもお金儲けを重視するようになっていました。

そのため、登場人物皆が地動説に新たな可能性を感じ、少しでも世の中をよくできないかと必死にもがいているのです。

恐ろしい拷問を受け、キリスト教信者にとって屈辱的な処刑方法である「火炙り」の刑になっても、自分の信仰を大切にしてきた生き様に涙を流さずにはいられません。

そして、知的好奇心というものはとても魅力的で、何かを知るということは人間の本能の一つであることを実感させられます。

天幕のジャードゥーガル

天幕のジャードゥーガルは、西暦1213年イラン東部の街トゥースで、奴隷の少女が学者一家に買われるところから始まります。

初めは奴隷の暮らしに不満を持っていた少女ですが、勉強ができることの素晴らしさを知り、学者一家とともに平穏な日々を送っていました。

しかし、モンゴルの侵略によって少女の暮らしは一変し、主人は殺され多くの人々が血を流したのを目の当たりにしました

少女は、殺されてしまった女主人の名前であるファーティマを名乗り、モンゴルの宮廷内にそば仕えとして侵入します。

そして、同じようにモンゴルに対して復讐心を抱くドルゲネとともに、モンゴル転覆をはかりますが…。

作者のトマトスープさんは、多摩美術大学を卒業しており、衣装の装飾の一つ一つ細かく書き込みが施された美しい絵作りにはうっとりさせられます。

さらに、丸みをおびた可愛らしいキャラクター達は、親しみやすい温かみを感じます。

しかし、可愛いけれども時には嘘をついて人を騙そうとしたり、子供らしい顔をしているのに人が弓で撃たれるのをゆっくり見物したり、登場人物達は皆それぞれ人間味が溢れています。

本作はあまり日本人が日常的に触れることがない、中世モンゴルが舞台の話ですが、時代背景や人々の暮らしが事細かに調査され描かれています。

モンゴルがなぜこんなにも強い国だったのか、文化や暮らしや信仰をより深く知ることができます。

そのなかでも、女性が政治の場である「総会議(クリルタイ)」に出席する場面も描かれたり、先進的な暮らしをしていたことがわかります。

黄泉のツガイ

漫画「黄泉のツガイ」は、「鋼の錬金術師」でお馴染みの荒川弘先生が描くファンタジー漫画で、月刊少年ガンガンで連載されています。

物語の1話から「鋼の錬金術師」と同じように、先へ先へと読んでみたくなる構成で、『昼と夜を別つ子』ってなに?と冒頭から謎を投げかけてきます。

どう考えても飛行機雲だろと読者が思うものを、主人公であるユルは「竜の屁」と呼んでいるところからなんだか違和感を感じる漫画です。

飛行機雲を「竜の屁」だという主人公のユル
引用:荒川弘「黄泉のツガイ」スクウェア・エニックス

ユルは村に帰ると、親しい友人と何気ない会話を交わし、座敷牢に閉じ込められた溺愛している妹のアサと話をします。

アサとユルの会話を聞くには、ユルの住む村以外にも「下界」と呼ばれる場所があり、何人かの村人が出稼ぎに行っているそうです。

ユルの住んでいる村は、畑仕事に精を出すなんだか平和な場所なのかと思っていましたが、なんと数ページで世界が一変します。

突如ヘリコプターがやってきて、迷彩服をきた人々が村人達を次々と襲っていきました。

そして、アサは見知らぬ女性に襲われ、ユルは「お前は誰だ」と女性に聞きますが、意外な言葉を聞き唖然としてしまいます。

アサだよ 兄様

むかえにきた

そして兄様以外みんな殺す


引用:荒川弘「黄泉のツガイ」スクウェア・エニックス

今まで一緒に過ごしてきたアサは偽物で、混乱するユルですが、説明されている暇はなく、下界と交流のあったデラさんに大急ぎで「左右様」の元へ連れて行かれます。

ここでユルはツガイという存在を知り、毎日村の門を守ってきた「左右様」の主人になったのです。

左右のツガイのになってしまったユル
引用:荒川弘「黄泉のツガイ」スクウェア・エニックス

1話目から謎が多く、混乱しそうな展開ですが、二話になるとユルが「下界」と呼ばれていた現代の日本にやってくるので話が一気にわかりやすくなります。

そして、1話で謎であったことが次々と解決され、そしてユルがやらなければならないことが明らかになっていき読者も同じスピードでユルについていくことができます。

山育ちのユルはとても力強く、ツガイ同士の戦闘シーンもスピード感がありカッコいいです。

是非「鋼の錬金術師」を超えるようなファンタジー漫画になってほしいと、今から期待しています。

ワンダンス

漫画「ワンダンス」は、珈琲さんが描くダンス漫画で、吃音に悩む小谷花木(以下カボ)が同じクラスの湾田光利(ワンダみつり)がダンスを踊っている姿に釘付けになるところから始まります。

湾田のダンスをみて「自由」だと感じたカボは、彼女とダンスにどんどん引き込まれ、苦手意識を持っていたにもかかわらずダンス部に入会することに決めました。

カボの「なんで踊りたいの?」という質問に答える湾田
引用:珈琲「ワンダンス」講談社

上手く言葉を伝えられないカボと、かわいい湾田とのやりとりが微笑ましく、思わず頑張れ〜と応援したくなるダンス青春漫画です。

しかし、二人がなんだか思っていることが通じるのは、湾田の複雑な家庭環境によるものだったことが7巻でわかります。

湾田ちゃんのダンスに向ける熱い情熱の根元には、こんなにひたむきな優しさがあったんだと目頭が熱くなりました。

ダンスについてよく知らなくても、丁寧にダンスを描写し、説明も丁寧なので話に入っていきやすいです。

また、踊っている動きを線で捉えるような書き方をしていて、新鮮な格好よさを感じます。

また、一つ一つのダンスには、ちゃんとテーマ曲が記載されているので、youtubeで検索してみるとお気に入りの曲が見つかるきっかけになります。

今一番熱いダンス漫画であると自負しています。

対岸のメル

漫画「対岸のメル」は、「星屑ニーナ」や「機動旅団八福神」でお馴染みの福島聡さんが描く、怪奇なものと通信できるメルと脇谷清晴(以下ワキャ)の物語です。

舞台は2012年の春で、おそらく東日本大震災で被害があった場所で、小学校に行く途中ワキャは自分と同じ年齢のメルと出会いました。

メルは、おさげを使って動物の言葉や、幽霊の言葉を聴くことができ、彼女の手を繋いでいると同じように声を聞くことができるのです。

メルと手を繋ぎ、カラスの声を一緒に聞くワキャ
引用:福島聡「対岸のメル」KADOKAWA

また、彼女と手を繋ぐと、普段はみることができない幽霊もみることができ、彼らはメルに願いを叶えてほしいと訴えてきます。

父親が住職であるワキャですが、オバケが怖いと言いながらも、メルと一緒に幽霊の持っている問題を解決していきます。

メルは、かわいい見た目とキラキラとした瞳を持っていますが、死後の世界に強く惹かれています。

死に強い関心を持っているメル
引用:福島聡「対岸のメル」KADOKAWA

ワキャは賢く、幽霊の問題をするすると解決していきますが、果たしてメルの危うい精神を支えることができるのでしょうか。

今後の展開が気になります。

さいごに

2023年に読んで、間違いなく面白かった漫画を5つ紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

どれもストーリーが面白すぎるので、1巻読んだらハマってしまってどんどん読み進めてしまいます。

読んでいるとあっという間に時間が経ってしまうので、寝不足にならないよう注意してもらいたいです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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