2024年6月7日、【M3GANミーガン】や【ゲット・アウト】などのヒット作を生み出して来たブラムハウスから新作映画が公開されました。
プールの中の暗い映像と、怪物の姿の得体の知れなさに惹かれて、当日劇場に足を運んでみました。
話の起承転結がはっきりしており、全体的にまとまった構成になった本作は、とても見やすく家族の絆を感じられるホラー映画でした。
本記事では、【ナイトスイム】のあらすじや見どころ、全体的な感想などについてまとめてみました。
もしも自分が苦境に立たされていて、誰かを犠牲にすれば想像以上の力を発揮できるとすれば、自分がどのような選択をするべきか考えさせられました。
【ナイトスイム】のあらすじ
メジャーリーグの選手だったレイは、難病に冒されてしまい、リハビリも上手くいかず身体的に弱っていく自分の体を苦痛に思っていました。
妻のイヴも献身的にレイに付き添いますが、生活は楽ではなく、資格の勉強をしながら子供たちの面倒を見て家事をこなしていました。
娘のイジーも息子のエリオットも、大きくなっていたので、気分転換も兼ねて夫婦は新しい自宅を購入しようと不動産会社を訪ねました。
いろいろな物件を見て来ましたが、レイが目をつけた物件は、学校からも近くレイがずっと欲しいと思っていたプールもついていました。
二人はプール付きの物件を購入しますが、レイは自宅のプールで泳ぐことで、医者もお手上げだった難病が驚くほど改善されていきました。
しかし、イヴとイジーとエリオットは、プールの中からただならぬ存在を感じるようになります。
なんとなく雰囲気が【IT】に似ている
【ナイトスイム】は、2014年にブライス・マクガイアとロッド・ブラックハーストによって制作された短編映画でしたが、今回ブラムハウスとアトミック・モンスターによって長編映画にリメイクされたそうです。
ブラムハウスの社長で、【ナイトスイム】のプロデューサーであるジェイソン・ブラムは、才能ある作家を掘り出してくるのが上手いなと感じました。
ジェイソン・ブラムは、【パラノーマル・アクティビティ】や【M3GANミーガン】など、低予算ホラーをヒットさせる達人でもありました。
ホラーの制作には慣れているせいか、ここでこう驚かせて欲しいというタイミングでしっかり怪物が驚かせてくれますし、恐ろしい展開になるまでの雰囲気作りが見事だなと感じました。
しかし、プールなどの排水溝から怪物がでてくるという演出は、ホラー映画【IT】に似ている部分があり、なんだかピエロがでてきそうだなとも思いました。
【ナイトスイム】では、ピエロは出て来ませんが、暗闇の中で微かに見える怪物の姿は恐ろしく、水の中に引き摺り込まれて死ぬのは嫌だなと感じました。
願いを叶えるが見返りを求めるプール
最初は、この映画はプールの中から怪物が出て来て、一人一人殺されていくのかなと予想していました。
しかし、このプールの厄介なところは、父親のレイの体を劇的に回復させてしまうことでした。
イヴもイジーもエリオットも、プールの異常に気づいているのに、父親がプールに執着するために家を手放すという決断をできませんでした。
家族全員がレイのことを思っていたし、彼の野球への執着は皆わかっていたので、レイが危ない道にそれそうでも見守るしかありませんでした。
そのうち家族の地位を向上させるために、家でプールパーティーをやろうと人を呼び、「何かがいるプール」に大量に人を入れることになってしまいました。
誰かの体を脅威的に治すには、誰かが犠牲にならざるを得ないとなると、家族は一体どのような結論にいたるのでしょうか。
ホラーだと思ったら家族のあり方について考えさせられる
【ナイトスイム】は、ホラー映画として完成度も高いですが、家族愛についてや子供の接し方についても考えさせられる内容でした。
例えば、プロ野球選手だったレイが、エリオットに無理やり野球をやらせているところなどは、気持ちはわかるけれどほどほどにしてあげないとなと感じました。
イジーも、母親と父親に気を遣っている様子がなんだか痛々しかったですし、イヴも命懸けで子供達を守っていたのがすごいなと感じました。
さいごに
【ナイトスイム】を見て来た感想をまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
全体的に完成度は高いのですが、まとまりすぎているというか、もう少しインパクトのある映像も欲しかったなと感じます。
しかし、家族愛に溢れたホラー映画なので個人的には嫌いじゃない映画です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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