2019年にアメリカで公開された【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】は、公開時は注目度が低かった映画ですが、上映館は17館から996館まで拡大し、最終的に週末興行収入ランクインするほどのヒットを生み出した作品でした。
特に本作で注目されたのは、ダウン症を持つザック・ゴッサーゲンが主役を務めたことで、自然で屈託のない素晴らしい笑顔を見せてくれました。
相手役であるシャイア・ラブーフは、プライベートで飲酒や暴行事件など起こして、映画の公開が危ぶまれたこともありましたが、ベテラン俳優として上手くザックを引っ張ってくれていたと思います。
本記事では、アマプラで見放題が始まった【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】のあらすじやみどころについてまとめてみました。
アメリカジョージア州の、湿地帯の自然が美しく、登場人物が皆優しいところ安定感があって良いストーリーでした。
ダウン症がある人と接したことがある人にとっては、こんなに演技ができる子がいるんだと驚かれる人も多いかもしれません。
【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】のあらすじ
両親に捨てられてしまったダウン症のある22歳の青年ザックは、老人介護施設に収容されていましたが、プロレスラーになるという夢があり、たびたび脱走を試みていました。
二度目の脱走で鉄格子のある部屋に入れられてしまったザックでしたが、ルームメイトのカールに手伝ってもらい遂に脱走に成功します。
一方で兄のマークを亡くしてしまった漁師のタイラーは、兄のカニ漁のライセンスを横取りされてしまったことに腹を立て、ダンカンの漁場に放火をしてしまいます。
ダンカンはすぐに犯人がタイラーだとわかり、彼を追いかけてきました。
タイラーは船に乗って逃げますが、なんとその船には収容所から逃げてきたザックが乗っていたのです。
ザックは、憧れのソルトウォーター・レッドネックが運営すると言うプロレスラー養成学校がある、ノースカロライナ州のエイデンに行きたいと言い、タイラーについていきますが…。
ザック・ゴッサーゲンの体当たりの演技
【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】のザックは、演者であるザック・ゴッサーゲンと同名で、本作は彼が映画に出演したいと言う熱い思いを元に脚本が製作されたそうです。
ザックは、老人介護施設から逃げる時、パンツ一丁で逃げてきますが、正に体当たりの演技を見せてくれていました。
湿地帯で撮影されている本作は、川で泳いだり険しい道を歩いたり、撮影は大変であったと予想されますが、ザックはいつも自然で良い表情を見せてくれました。
また【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】は、ダウン症のある青年がジョージア州からノースカロライナ州まで、野宿をしながら歩いて旅をするという若干ファンタジー味があるストーリーです。
しかし、ところどころでザックの冗談やコミカルな表情があったことで、旅が楽しいものになり、視聴者にも見やすいつくりになっていました。
ダウン症のある人の良いところ
ザックの思いはとても純粋で、飽きることなく何十年前のビデオを見返し、プロレスラーになりたいという夢をひたすら積み上げてきました。
【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】では、老人介護施設の老人たちが、自然とザックに手を貸してくれていたのも彼の優しさや温かい心に触れて協力しようと思ったのではないのでしょうか。
邪な思いが一切ないからこそ、タイラーもザックの夢に一役買いたいと手伝ってくれたのだと思います。
またダウン症のある人の良いところは、そばにいる人が落ち込んでいたり悲しいことがあると、自然と励ましてくれたりそばにいてくれたりすることです。
タイラーが兄を思い出して悲しんでいる時は、そっとそばにいて「僕の誕生日パーティーに君を招待してあげるよ」と声をかけてくれる場面は胸に響いたという人も多いのではないでしょうか。
シャイア・ラブール演じるワイルドな漁師
兄を亡くし、自暴自棄になっているタイラーは、私生活でもお騒がせ事件を数多く起こしていたシャイア・ラブールにとってハマり役であったと思います。
不器用で喧嘩をしてもなかなか勝てず、イライラして火を放ってしまったり、心が安定しないからこそ優しいザックに手を貸してしまったり、時にはエレノアをナンパしてみたり憎めないダメ男を上手く演じてくれました。
私生活でだらしないながらも、船の操縦は漁師なので手慣れていて、まるで自分の手足のように動かす姿は純粋にかっこいいなと感じました。
また、スイカの皮を被ってザックと子供のように遊ぶ姿はとても楽しそうだったり、アメリカ南部の自然の中で仲を深めていく二人は本当に魅力的でした。
広大な湿地地帯を活かした船同士のチェイスシーン
アメリカの映画はチェイスシーンを好む傾向がありますが、タイラーがダンカンの漁場に火をつけ逃げるシーンは、近年みたチェイスシーンの中でも特に緊迫感があって良かったと思います。
タイラーもダンカンも、シンプルな作りのボロボロの船に乗りますが、あんなにもスピードがでるものだと知らなかったので驚きました。
さらに、湿地帯には背の高い草原があって、そこで一度船のエンジンを切って、息をひそめて身を隠す場面はかなり緊張しました。
そして、猛スピードで走ってきた船の振動で耐えきれずザックが嘔吐しだすのは、まさかの事態で驚いた人も多いのではないでしょうか。
この一連の流れがよくできていて、とても面白かったです。
アメリカ南部を舞台にした美しい自然
アメリカといえば、NYなどの大都会だと考える人も多いかとおもいますが、【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】の舞台であるアメリカ南部では、美しい自然を余すことなく鑑賞することができます。
キラキラと光る水面や夕焼けは、ザックとタイラーとエレノアを優しく見守ってくれているようで、こんなに美しい場所ってあったんだなあと感じました。
広大な自然の中で、泳いだり焚き火をしたり、三人が心から楽しんでいる様子に癒されます。
またディズニーランドのジャングルクルーズのように、川に接するように建築された家などもあり、こんな暮らしをしている人がまだいるんだと少し驚きました。
そして、アメリカ南部を彷彿とさせる、アコギのきいたカントリーミュージックの挿入歌も情緒たっぷりでよかったです。
【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】は、ロードムービー映画としても最高の映画だと思います。
さいごに
【ザ・ピーナッツバター・ファルコン】のあらすじや見どころについてふれてきましたがいかがだったでしょうか。
ダウン症のあるザックも、シャイア・ラブーフも演者として高く評価された映画なので、二人の温かい表情にとても癒されます。
障害のある人に接したことがあるないに関わらず、多くの人に受け入れてもらえて楽しめる映画だと思います。
今ならアマプラに登録しておけば見放題なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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