Netflix映画【啓示】韓国の教会って結構ドロドロしてる?リュ・ジュンヨルの演技が素晴らしい!

Netflix映画【啓示】韓国の教会って結構ドロドロしてる?リュ・ジュンヨルの演技が素晴らしい! Netflixドラマ

「啓示」という言葉は、キリスト教を知らない人には聞き馴染みのない言葉ですが、クリスチャンにとってはとても大切な言葉です。

「啓示」とは簡単に言えば神様が与えてくれる直感やメッセージで、信徒達はこの直感と信仰をもとに、日常生活を送っていきます。

しかしこの啓示が神様から与えられるものではなかったら、正しいものではなかったらどうなるのでしょうか。

Netflix映画「啓示」では、自らが作り出す幻影に捉われてしまった三人の登場人物を中心に話が展開していきます。

本記事では、啓示のあらすじやキリスト教の教えをもとに、Netflix映画「啓示」をよりわかりやすく解説していきます。

【啓示】のあらすじ

町の片隅にあるボロボロの小さな教会のソン牧師は、信仰心に厚く優しい性格でしたが、出世からはほど遠く信徒集めに必死になっていました。

ソン牧師は初めて教会に来た一人の男を改宗しようとしますが、その足に性犯罪者がつけるGPS探知機があることに気付いてしまいます。

クオン・ヤンレというその男は、実はソン牧師の教会に毎週通っている少女アヨンをつけてきて、教会にやってきたのです。

さらに、ソン牧師は妻が不倫をしていることを知り、新しい教会の主任牧師が自分でないことを告げられショックを受けます。

教会に戻り神様が啓示をくださるようお祈りしますが、妻から電話があり息子が男性に連れ去られたと言われ、クオン・ヤンレがやったのだと確信し彼の家に向かいました。

二人は雨の中もみあいになり、ソン牧師はあやまってクオン・ヤンレを崖に落とし、山の影にイエス・キリストの顔をみました。

さらにアヨンは失踪し、クオン・ヤンレの行方をイ・ヨンを含む警察達は追い始めました。

啓示を受けたソン牧師はいったいどうなってしまうのでしょうか。

ソン牧師の啓示

韓国では人口の三分の一がキリスト教の信者だと言われていますが、ソン牧師の所属するプロテスタントは、キリスト教の中でも最も信じられている宗派です。

プロテスタントの牧師は、カトリックの神父とは異なり、結婚が認められていおり子供を持つこともできます。

基本的に夫婦二人三脚で教会を運営していることが多く、ソン牧師の妻シヨンも信徒と交流し、牧師の良き妻として立ち振る舞っていたように見えました。

甘い匂いとは

罪を犯してしまったソン牧師は、上司のチョン牧師のもとへ懺悔しに行こうとしますが、逆に新しい教会の主任牧師になるように言われ驚きます。

呆然とするソン牧師は『牧師様、どこからか甘い匂いがしてきませんか』という、印象的な言葉を口にしました。

ソン牧師が感じた甘い匂いとは、おそらくイエス・キリストの香りだったのかもしれません。

イエス・キリストが生まれた時、三人の賢者達が尋ねてきて、「黄金、乳香、没薬」を贈り物として献上しました。

「黄金」はもちろん貴重なものだとわかりますが、「乳香」は昔から神殿のお香として使われてきた大変貴重な宝で、「没薬」も同様に貴重な香油でミイラを作るときにも使われたそうです。

また、イエス・キリストがエルサレムに来る前に、マリアという元娼婦の女が大変高価なナルドという香油をその足に塗ったと言われています。

このように、ソン牧師が甘い香りを感じたということは、イエス・キリストの芳しい香りを身近に感じたということかもしれません。

夫婦関係の崩壊

ソン牧師は、冒頭からギターを奏で優しそうな笑みを浮かべていましたが、信徒の勧誘に関してはあまり得意ではなさそうでした。

しかし、妻のシヨンはソン牧師よりも立ち回りが上手く、信徒や他の教会の牧師妻のコミュニティでも上手くコミュニケーションをとっていました。

そのため、ソン牧師はシヨンが不倫をしているとわかっても、すぐに話を切り出すことができませんでした。

しかし、啓示を確信したソン牧師は、車の中で拳を振り上げシヨンに「口を慎むように」と強い言葉を投げかけます。

おそらくソン牧師は、このようにシヨンを圧倒するようなことは今までなかったのではと感じます。

二人の会話は、リュ・ジュンヨルの危機迫る演技が光り、なんとも言えない緊迫感が味わえます。

韓国の方は、例え親しい間柄であっても頭を触られるのが嫌いだといいます。

懺悔のためとは言え、シヨンはソン牧師に強く頭を抑えられ、苦しく辛い表情を浮かべているのが印象的でした。

申命記24章7節

申命記は、預言者モーセがユダヤ人達を奴隷の身から解放し、人々に守るべきことを教えた章です。

イスラエルの人々のうちの同胞の一人をかどわかして、

これを奴隷のようにあしらい、売るものを見つけたならば

かどわかしたものを殺して、あなたがたの内から悪のぞきさらなければならない 

申命記24章7節

教会に集う仲間であるアヨンをかどわかし(誘拐し)、苦しませる人には、眼には目を歯には歯をの精神で、犯人を殺すことも躊躇するべきではないとソン牧師は説きました。

ソン牧師は、牧師になるためにもちろん聖書の勉強をしていると思いますので、直感的にこの聖句が頭の中に浮かんできても不思議ではありません。

また、24章の冒頭は妻が不貞を働いた場合どう対処するかが述べられていて、ソン牧師の頭の中にはあらかじめ24章が頭の中に浮かんでいたのではと思います。

ソン牧師は、信徒達をこれほどまでにないくらい奮い立たせ、信者が泣き叫ぶ姿はまるで新興宗教のようで異様でした。

なお、イ・ヨニがクオン・ヤンレが誘拐されている廃倉庫に来た時は、「D24-7」の数字は、同じ場所に書かれていませんでした。

罪を犯した男クオン・ヤンレ

性犯罪者であるクオン・ヤンレは、ソン牧師のいる教会に来た時から何か別のものをみているようでした。

結露が滲み出てできてしまった天井のシミをみて、クオン・ヤンレは怪物の声を聞いていたようにみえました。

彼の家には、黒く禍々しい「一つ目の怪物」が壁に書かれており、その怪物が自分に罪を犯すよう促していると言います。

この状況は、ソン牧師がイエス・キリストの啓示をみることで、犯罪行為を次々起こしていってしまったことと同じようにみえます。

ただし、ソン牧師が見ていたのは彼が進行していたイエス様で、クオン・ヤンレは恐怖の対象である怪物でした。

妹の幻視を見る女性警察官イ・ヨニ

イ・ヨニは優秀な警察官でしたが、妹のヨジュンがクオン・ヤンレに誘拐されてしまった時、助け出せなかったことを激しく後悔していました。

クオン・ヤンレが、虐待を受けていた過去がわかり、情状酌量が認められてしまい、ヨンジュは自殺してしまいました。

そして、たびたびイ・ヨニのもとに亡霊として現れるヨンジュは、早くクオン・ヤンレを殺すようにと姉にメッセージを送り続けていました。

しかし彼女は上記の二人とは違い、亡霊のメッセージに従わず葛藤し続けました。

ドアの意味

新約聖書マタイ書7章8節には、

誰でも求めるものは受け、探すものは見つけ、門を叩くものには開かれる

という言葉があります。

ヨンジュは、イ・ヨンに以上に気づいて助けてほいしかった「けれどもドアから入ってくるのはいつもあいつだった」と言いました。

上記の聖句は、この映画の根幹となる言葉ではないかと思います。

さいごに

Netflix映画「啓示」について、キリスト教の教えをもとに解説してきましたがいかがだったでしょうか。

韓国映画は、聖書の教えを引用していることが多いので、聖句の意味などがわかるとより登場人物の真意がわかると思います。

ぜひ時間がある時に、Netflixで「啓示」を視聴してみてもらえればと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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