世界累計興行収入15億5500万ドルを突破した、ピクサー最新映画【インサイド・ヘッド2】が、日本でも2024年8月1日に公開されました。
前作の【インサイド・ヘッド】もアカデミー賞長編アニメ賞を受賞しましたが、続編の【インサイド・ヘッド2】も子供も大人も満足できる素晴らしい映画でした。
言葉が上手く話せない知的障害のある息子も、頭の中の感情たちがドタバタしている様子を見て、にこにこ笑っていました。
しかし、小学校1年生の娘は、主役のライリーが友達に冷たい態度をとってしまうのを見て、少し憤りを感じていたようで、改めて友達の接し方を考えていました。
大人にとっては、ライリーの頭の中の感情たちが、まるで子供のためにヤキモキしてしまう親心や、思春期だった頃の心の葛藤を思い出して涙が止まりませんでした。
本記事では、【インサイド・ヘッド2】を実際に見てきた感想と、子供から見た感想と大人から見た感想をまとめてみました。
【インサイド・ヘッド2】のあらすじ
13歳を迎えたライリーは、親友たちとアイスホッケーを楽しむごく普通の女の子。
ライリーの頭の中では、ライリーが生まれた時から見守ってきた感情である、「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」は、ライリーの危機を救ってきました。
しかし、ライリーが憧れのホッケーチームの合宿に参加する夜、その変化は訪れてしまったのです。
ライリーの頭の中の司令塔は、みんなが眠っている間に大きく作り変えられ、やっかいな思春期用のものに変わっていました。
母親の一言で、憤って大きな声を出してしまったり、自分の体の匂いが妙に気になったり、いろんなことに敏感になってしまいます。
しかも、ライリーの憧れのホッケーチーム「ファイアーホークス」のある高校の合宿に向かう際に、二人の親友は別の学校に進学することを知ってしまいます。
そして、ライリーの頭の中に「シンパイ」「イイナー」「ハズカシ」「ダリィ」などの感情も加わってきました。
特に、まだ見ぬ先の不安を考えて動く「シンパイ」は、ファイアーホークスに入るために、ライリーの親友達に冷たい態度をとり、先輩たちに受け入れられようと必死にライリーを操作します。
ヨロコビ、イカリ、カナシミ、ムカムカ、ビビリが、友情を大切にしたいと話すと、シンパイは5人を司令塔から追い出してしまい、さらにライリーをシンパイの思考に追い込んでいきます。
ヨロコビたちは、ライリーを救うことができるのでしょうか。
公式ホームページ→https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2
個性豊かな感情たち
個性豊かなライリーの感情たちは、子供にも好評でした。
【インサイド・ヘッド2】の日本語吹き替え版では、ヨロコビ役は小清水亜美さん、カナシミを大竹しのぶさん、ムカムカを小松由佳さん、イカリを浦山迅さん、そしてビビリを落合弘治さんが務めています。
新しい感情たちはシンパイを多部未華子さん、ハズカシをマジカルラブリーの村上さん、イイナーを花澤香菜さん、ダリィを坂本真綾さんが務めています。
【インサイド・ヘッド2】のキャラクターデザインは、【私ときどきレッサーパンダ】でもと同じく、日本人の村山佳子さんが務めています。
子供達が気に入った感情
娘は、新しい感情のハズカシが気に入ったと言っていました。
恥ずかしかったり、戸惑ったりしている時の仕草が気に入ったようです。
「それにハズカシはとっても優しいんだよ!」と娘は言っており、確かにハズカシの行動には優しさが見え隠れしていました。
大人が深く共感してしまう感情
ライリーの頭の中の感情は、どれもライリーのことをとても大切に思っていて、親が子供を見守る時ととても同じでどれも共感できてしまいました。
特に、【インサイド・ヘッド2】のストーリーを大きく引っ張るシンパイの気持ちが痛いほどわかりました。
映画館を離れる時、お父さんと子供達が【インサイド・ヘッド2】の感想を話していたのですが「うちのお母さんの頭の中はシンパイでいっぱいだね」と話していました。
シンパイは感情の中でも、髪型は箒みたいで目もぎょろっとお世辞にもかわいいとは言えないキャラクターです。
でも、時には自分勝手で突っ走ってしまい、あれこれ行動してしまう姿は。正に子供のために世話を焼いてしまう自分に重ねてしまう母親も多かったのではないでしょうか。
シンパイがあまりにも混乱してしまい、司令盤を目にも止まらない速さで操作し続け、そしてショートしたように動かなくなり、潤んだ瞳でライリー虚空を見つめている姿には悲しくなりました。
ライリーの秘密の保管庫
司令塔から追い出されたヨロコビを含む5人の感情たちは、ライリーが人には言えない「秘密の保管庫」に閉じ込められてしまいました。
真っ暗だと思っていたら、そこには意外な人物たちが息を潜めていました。
ランス・スラッシュブレード
ライリーの秘密の保管庫に、日本のゲームキャラクター「ランス・スラッシュブレード」が出てきた時は思わず笑ってしまいました。
長い髪をポニーテールに束ね、大きな剣を持ったランス・スラッシュブレードは、安っぽいピクセル画で描かれており、昔の日本のテレビゲームのキャラクターそのものでした。
目をキラキラさせながら、ムカムカと語り合うランス・ラッシュブレードを見て、大人は苦笑いしてしまい、子供はなんだかよくわかっていないようでした。
ランス・ラッシュブレードは、持ち前の技でいろいろと活躍し、その演出がとってもおちゃめで楽しいのでぜひみてもらいたいです。
キザで憂いを帯びたランス・ラッシュブレードの吹き替えは中村悠一さんが担当しています。
ブルーフィーとポーチー
秘密の保管庫の中には、他にもライリーが子供の頃に好きだったカトゥーンアニメの、ブルーフィーとポーチーがいました。
彼らは、昔のカトゥーンアニメのように平面的な絵で動くので、インサイド・ヘッド2の世界ではどこか懐かしい動き方をしていました。
ブルーフィーは、変幻自在の声を持つ武内俊輔さんが演じており、ガラガラで陽気な声をしていて、いかにも子供が好きそうな声と動きをしていました。
ポーチーは、鬼滅の刃の炭治郎役でお馴染みの花江夏樹さんが演じており、イカリがポーチーのチャックに手を突っ込むと子供達が笑っていました。
ライリーの自分らしさの木
【インサイド・ヘッド2】では、前作には登場しなかった「自分らしさの木」というものを、ヨロコビを含む5つの感情たちが大切に育てていました。
これは、子供だったライリーが成長して、一個人として自分というものを作り上げていった証なんだと感じました。
ライリーが経験した良かった記憶は、頭の中の池のような場所に持って行かれると、光の帯を放ち自分らしさの木が生成されていきます。
思春期を迎え4つの感情が来る前は、ライリーの自分らしさの木は光り輝いており、ライリーの自分らしさの木は「私はいい人」と唱え続けていました。
しかし、シンパイはライリーの自分らしさの木を記憶の片隅に放り投げ、新しい自分らしさの木を作り直します。
ヨロコビ達は、ライリーの「いい人」の木を取り戻そうとしますが、ライリーの自分らしさの木がどのように変化していくかも、【インサイド・ヘッド2】の見どころでもあります。
さいごに
【インサイド・ヘッド2】の魅力についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
子供も大人も楽しめる映画なので、家族みんなで安心して観に行くことができて満足できる映画だと思います。
ピクサー作品は、どの作品も心温まる作品ばかりで本当にすごいと感じます。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
コメント