2026年5月29日、劇場版モノノ怪の最終章である蛇神が公開されました。
劇場公開日当日、17時ごろから鑑賞したのですが、やはり女性の観客が多かったように思います。
実際に鑑賞した感想としては、この話を最終章に持ってきたのはもったいないなと感じました。
第三章蛇神は、第一章の唐傘のネタバラシのような話で、唐傘で謎のままおいておかれた御水様の秘密について語られることになります。
そのため大奥の秘密についてネタバラシされていくのですが、どれも「なんとなくそうだと思った…」と感じるような内容で目新しさは無く、テレビ版や劇場版1〜2章と異なり話が希薄で少し驚きました。
また、題名になっている蛇神のキャラクターがぼんやりしていますし、ビジュアルも蛇というよりも竜のように見えました。
実は蛇神が出てきた後に、大奥に住まう諸悪の根源であるモノノ怪が出てくるので、蛇神の存在がより希薄になってしまったように感じます。
しかし、全ての謎が明らかになるので、第三章を鑑賞した後に1〜2章をみるとより理解度が増すなとも感じました。
テレビ版のモノノ怪を繰り返し視聴し、劇場版モノノ怪を映画館で鑑賞してきましたが、蛇神の話が一番出来が悪かったと思います。
今回劇場版モノノ怪蛇神が、なぜ個人的にあまり好きになれなかったのかその理由についてまとめてみました。
劇場版モノノ怪蛇神のあらすじ
欲望が渦巻く大奥で、モノノ怪を祓う力をもつ不思議な男薬売りは、これまで「唐傘」や」「火鼠」などのモノノ怪を祓ったおかげで大奥への通行手形を保持していました。
「火鼠」を祓ってから1年後、大奥の正室の幸子に二人目の子供が産まれることがわかり、大奥内はお祭りムードになっていました。
幸子は無事に男の子を産みましたが、薬売りは何かに気付き「モノノ怪」がでたと、大奥の中に入っていきました。
産まれたばかりの幸子の子供は、側室のフキの部屋にやってきますが、あまり泣かない赤子にフキは疑問を感じます。
そこにまだ産後間もない幸子がやってきて、その子は自分の子ではないといい、産まれた自分の子供は産後すぐに命を落としたと嘆きました。
すると、幸子の赤子を取り上げたカワが見えない何か首を締めあげられました。
薬売りは、大奥に蛇神がでたといいますが…。
蛇神とは
劇場版モノノ怪第三章は蛇神が活躍すると言うことで、どれだけ恐ろしいモノノ怪になるのか期待していましたが、蓋を開けてみるとひたすら純粋な思いを持ったモノノ怪でした。
蛇神になったのは三代目御台所の女性で、彼女は正室に来た時から三代目天子のことを深く愛しており、天子も彼女のことを愛していました。
しかし、二人の間になかなか子供はできず、三代目天子の乳母である天局は側室を迎えるように促しました。
三代目御台所は嫉妬に悶え、天子の死の間際にも立ち会うことができず、蛇神に変わってしまったそうです。
しかし、いくら純粋な姫であっても、愛し合っているなら天子の責務を受け入れ、他の御中﨟と繋がりができても目を瞑るほどの懐の深さがあっても良かったのかなと思いました。
そして、実際に蛇の生態ってどんなものだろうと思って調べてみると、意外と蛇が情熱的で愛情深い生き物であることがわかりました。
蛇は通常単身で行動しますが、繁殖期はメスを奪い合うために戦ったり、複数のオスがメスを奪い合うために巨大なボールを作り群れあい競い合うこともあるそうです。
オスとメスが逆転していますが、大奥で女達が競い合って天子を奪い合っている様ににているかもしれません。
さらに、蛇の交尾は情熱的で長い時間をかけて交わり、種類によっては1日〜数日ずっと繋がっている個体もいるそうです。
しかも蛇の生殖器には、猫のように逆さに棘がついていて、交尾が終わる時に激しい痛みを伴うそうです。
無理やり仲を引き裂かれ、心を病んでしまった三代御台所は番いを亡くしてしまった蛇そのものだったのかもしれません。
蛇神のビジュアルが悪い
三代御台所が蛇神になった理由は、個人的に映画鑑賞後に調べて納得ができたのですが、それにしても蛇神のデザインが蛇っぽくなかったのが残念でした。
蛇神の体は紐のように細く、最終形態になっても蛇特有の重厚感を感じず、這うというよりもビュンビュン飛んでいる場面の方が多かったように感じます。
第一章では唐傘の大きな図体で、ぐるぐると回転するような攻撃に圧倒され、第二章では火鼠のスピード感のある攻撃に心踊らされました。
しかし、蛇神の攻撃は前者よりも地味で目新しさがなかったように感じます。
さらに、唐傘・火鼠の場合、殺された人達は全身の水を抜かれミイラ状態になったり、燃えて灰になったり、その人がした罪の重さに見合うような制裁が与えられました。
しかし、蛇神の場合は首を目が飛び出るほど締め上げられ、その後遺体は一瞬で消えてしまい三角の鱗のついた置物がそこに置かれていました。
第一章と第二章では比べ物にならないほど、あっさりとした殺され方で、そんなかんじで大奥内の人間はどんどん消えていってしまいます。
また、蛇神は三角の形をした鱗を大奥中にバラバラと飛ばすのですが、そんなに蛇って鱗が簡単に剥がれる生き物だったかずっと鑑賞中引っかかっていました。
蛇は魚のようにボロボロ鱗が剥がれると言うよりは、脱皮を繰り返して大きくなっていくので、何度も再生する習性から金運や財産を司っている神様だと言われています。
また、たびたび水神とも呼ばれている蛇神ですが、劇場版モノノ怪では水を恐れている描写があり、なんでだろうと鑑賞中にモヤモヤしてしまいました。
そして、最後は水が効かなくなっていき、最終ボスの百目が正体を現すと言う流れになるのですが、百目の引き立て役のような扱いがちょっとかわいそうだなと思いました。
御水様の正体
唐傘で解明されずに終わってしまった御水様の正体は、蛇神でやっとその全容が解明されます。
御水様は三代目天子の乳母である天局で、御水様として祀られることで、長きにわたって大奥を見届けたいと考えたそうです。
唐傘でまとめられた話ではなかったのか
御水様については、第一章で唐傘で言及されたのですが、その時は全く御水様について明かされることはなかったので唐傘の話がとても分かりにくい仕上がりになっていました。
そして、水に関わりがある唐傘と一般的に水神と呼ばれる蛇神と、全ての感情を司る百目が登場したことで話がよくわからなくなったなと感じました。
百目の見かけについても、どこか見たことあるようなキャラクターで少し驚かされました。
全ては最後に離の薬売りに助けを借りるために、いろいろと不自然なお膳立てを繰り返し、ストーリーはおざなりになってしまったのではないかと感じました。
劇場版モノノ怪の炎上について
劇場公開後、公式Xでは5月31日までSNSでネタバレをしないようにというポストが送信され物議をかもしました。
おそらく、薬売りの離の剣と呼ばれる、テレビ版で活躍した薬売りが登場することを隠しておきたかったようです。

ただし、テレビ版の薬売りである離の剣は、当時不倫スキャンダルで劇場版を降板した櫻井孝宏さんが演じており、たった二言の台詞でしたが一部のファンの逆鱗にふれました。
さらに、企画プロデューサーの山本幸治さんがプロデューサーを降板することになってしまいました。
モノノ怪シリーズは、巧みな心理描写や演出などでじわじわとファンを増やしていき、人気作に成長していきました。
しかし、現在SNS上では薬売りの再登場についてや、プロデューサーの降板について、モノノ怪の話題がネガティブに扱われています。
話題に上がることで、より劇場に足を運ぶ人も多くなるかもしれませんが、ゴシップをつくることよりも映画の内容に力を入れてほしいなと思いました。
インタビューで、中村監督と越田監督が4時間作業を止めてガンダムの話をしていたといいましたが、もっと真剣に第三章蛇神を作ってもらいたかったと思います。
さいごに
劇場版モノノ怪蛇神の悪かった点についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
第三章を鑑賞することで、第一・第二章を楽しく鑑賞できると言う見方もあるのですが、それにしては力量不足を感じます。
モノノ怪第一・第二章は、カナダのファンタジア国際映画祭で連続入賞していますが、第三章はどうなるのかなと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございます。


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