どうしてこんなことになってしまったのだろう
その答えはどこからも与えられない
引用:つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
「どうしてこんなことになってしまったのだろう」
この言葉は、人が苦難にあった時後に引くことも先に進むこともできず、途方に暮れた時に口にする言葉です。
漫画の方にはない、アニメオリジナルの台詞ですが、ヴエコの人間味がより強く伺える演出だったと感じます。
この言葉を口にした時点で、もう答えは決まりきっているんですよね。
ヴエコの台詞から考察すると…
実は過去に、ヴエコについてボロクソに言っている記事があります。
そのため、本記事でもヴエコについて「ここんとこどうなのよ?」というツッコミを入れていく形になりますので、ご了承いただければと思います。
場合によっては、ワズキャンよりも卑怯だなとも感じることもあります。
そもそもアニメ第8話での最後の台詞なのですが
自分はもう…
ただ一つだけよ…
ただ あの子のことを
忘れたくないだけ…
引用:メイドインアビス「つくしあきひと」竹書房
それはつまり…イルミューイのことを自分で助けるつもりはないってことだよね…。
素敵な笑顔で、良いことを言っているように思えますが、この発言を初めてみた時は怒りを覚えました。
子供であるナナチでさえ、成れ果ててしまったミーティーを殺そうとしていたというのに、彼女はもう全て諦めているんです。
世話役とは言え、医学に精通していたヴエコならイルミューイを殺すことだってできたはずです。
作中では、ナイフを持ってイルミューイを殺そうとしていましたが、逆に抱きしめられ慰められている始末です。
なに慰められちゃってるのよ、しっかりしてよ…。
ヴエコが踏ん切りがつかなかったおかげで、イルミューイは第2の欲望の揺藍を使われ、村として利用されることになってしまいました。
ヴエコはイルミューイを止められなかった
第1話の凛々しかったベラフは、第8話ではひどい変わりようで見ていられなかったですね…。
そんなベラフに、イルミューイの子供で作ったスープを飲ませるヴエコは、狂ってしまいたいと言っていました。
しかし、ボロボロになりながらもヴエコはイルミューイと居続けました。
イルミューイの二つ目の願いは、ヴエコとずっと一緒にいることだったので、そこでやっとワズキャンを止めようとヴエコは死を選びました。
でもやっぱり詰めが甘いかったですね…。
イルミューイの中に幽閉されることになり、100年以上イルミューイの子供達とずっと遊んでいたようです。
ヴエコはイルミューイを人間扱いしていないかった
ヴエコは、イルミューイが初めて子供を産んだ時、動物が赤ちゃんを産んだ時と同じようなことをさせようとしています。
ほらイルミューイ…
膜が顔の周りにも…
そう…やさしくなめてあげて…
引用:つくしあきひと「メイドインアビス」竹書房
いやいや舐めてあげてって…。洗ってあげるとかできないの?
下痢は素手で触れるくせに、イルミューイの赤ちゃんに触れることを嫌がっていたのです。
化け物になったイルミューイの面倒は見ていましたが、既に人間だとは思っていなかったようです。
それに対して、ベラフはイルミューイのことも子供達のことも、人間だと思っていました。
だからこそ、ボロボロに壊れてしまったのでしょう。
人肉を食べる描写は、ウルグアイ空軍機571便遭難事故?
調査してみたところ、アニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」の7〜8話の元となった話は、ウルグアイ空軍機571便の遭難事故なのではと推測できます。
セレール峰に墜落してしまった、ウルグアイ空軍機571便の乗客は、高度4200mの場所で72日間食料もない状態で生きなくてはなりませんでした。
最初はわずかに残されたお菓子やワインなどで食を繋いでいましたが、遭難してから11日目に、ラジオで自分たちの捜索は中止されたということを知りました。
高度4200mの場所には、食べられる植物もないので、乗客達は死んでしまった人肉を食べる選択をしました。
つくしあきひとさんは、世の中では創作物よりもひどいことが現実に起こっているのではと話していらっしゃいます。
確かに、ウルグアイ空軍機571便の惨劇をみると、漫画以上に恐ろしい体験をされた方が実際にいらっしゃったということがわかりますね。
メイドインアビスでは、動物化された子供達を食べて生き延びましたが、彼らは死んでしまった仲間達を食べていますからね…。
自分だったら、ギリギリに追い詰められた状態の時、どのように行動すればいいのか考えさせられますね。
小島正幸監督のインタビュー
アニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」の監督をされている小島正幸さんは、7・8話について登場人物を丁寧に動かすことを意識されたそうです。
今話に至るまで、ヴエコがイルミューイに対する思いりやバックボーンをしっかり描くことで、悲劇がより強い印象に残るよう工夫されたそうです。
ヴエコやベラフ、ワズキャンなどの微妙な変化を描くことで、より物語に没頭できたと感じる方も多かったのではないでしょうか。
残虐なシーンはいくらでもセンセーショナルに描くことができますが、倫理観を大切に、見せるシーンを選別したそうです。
第8話のエンドカード
第8話のエンドカードは、竹書房で『魔法少女にあこがれて』を連載されている小野中彰大先生が担当されました。
リコとマルルクが裸吊りにされているところを、オーゼンと悪の組織の女幹部になってしまったうてなが、嬉しそうに見ていますね。
間違っても子供には見せられないエンドカードですね…。
まとめ
第8話では、ヴエコの心情や、元になったと思われるウルグアイ空軍機571便遭難事故についても紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ショッキングな内容でしたが、今後の話の展開が気になりますね。
第9話では、ファプタの耳と腕をもらったレグが村に帰ってきます。
一体どうなってしまうのでしょうか。
第9話も見逃すことができそうにないですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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