2024年11月8日、『M3GAN』などでヒットを飛ばしたブラムハウスから、新作映画【イマジナリー】が公開されました。
イマジナリーフレンドであるクマのぬいぐるみが、無理な要求を子供に与えるようになり家族に危険が及ぶという、あらすじをきくといかにも楽しそうなストーリーでした。
しかし、実際に鑑賞してみるとホラー要素は少なく、キャラクターの魅力もストーリーの面白さも実感しにくい作品でした。
本記事では、【イマジナリー】がなぜ個人的に合わなかったのかを、簡単にまとめてみました。
ブラムハウスでは、2025年5月に『M3GAN』の続編を公開する予定だそうですが、他作品も同様に力を入れて欲しいと感じました。
【イマジナリー】のあらすじ
絵本作家のジェシカは、マックスと結婚したばかりですが、夜な夜な蜘蛛の怪物に追い回されるという悪夢に苦しんでいました。
心機一転して、ジェシカとマックスはマックスの娘達のアリスとテイラーと一緒に、新居に引っ越すことに決めました。
その新居は実はジェシカが幼少時代を過ごした場所でもあるのですが、彼女はその家で過ごした5歳までの記憶を失っていて、父親は精神障害を患ってしまい彼女は逃げるようにその家から引っ越してしまったのでした。
末っ子の継娘であるアリスは、家に越してくるとすぐにくまのイマジナリーフレンド「チェンシー」と行動を共にするようになります。
複雑な心境のジェシカをよそに、アリスはチェンシーと一緒にお茶会をしたり、宝探しゲームをして楽しいことを探したりしていました。
しかし、ゲームの内容は次第に過激なものになっていき、「困らせるもの」「泣いてしまうもの」「怒らせるもの」などを探すよう、その要求は次第にエスカレートしていきます。
チェンシーはアリスに「痛いことを探す」ように要求し、アリスは釘が突き出た板を手で叩こうとしますが…。
前半眠かった…
まず、最初のジェシカの悪夢についても、ちょっとよくわからなかったのですが、前半の展開がとてもテンポが悪く眠くなりました。
いざバケモノがでてきそうという場面になっても、緊張感があまりないので、大きい音がでるまで眠ってしまっていたこともありました。
観客の気持ちを昂らせる能力に欠けているのに、やたらと過去の説明なども挟み入れてくるので、とにかく退屈でした。
役者の演技が微妙…
主人公のジェシカは、悲劇的な過去を背負っていて、その過去をベッドで眠るアリスに語りかけるシーンがあるのですが、役者の演技が微妙でイマイチ感情移入がしにくかったです。
また、【イマジナリー】に囚われているアリスは、少し棒読みがちなところがあって、イマジナリーに翻弄されている割には元気そうな印象があって残念でした。
姉のテイラーは美人で演技に不自然さはありませんでしたが、物語を引っ張っていくには実力不足だと感じてしまいました。
『死霊館のシスター2』の女学生たちの演技を見習って欲しいです。
チラ見せお化けなんでいるの?
ジェシカが地下室へ降りていくシーンや、部屋の隅などに、わざとらしくイマジナリーと思われる姿のものが立っていることがあるのですが、全く怖くありませんでした。
意図的にピンボケにしているので見えにくいですし、次のカットになると綺麗に消えていて、恐怖演出にもなりきれない姿の見せ方にイライラしました。
また、イマジナリーは熊のぬいぐるみであったり、ジェシカのトラウマである蜘蛛の形をしているのですが、チラチラ画面の端にでてくるこのイマジナリーはなんのためにいるのかわかりませんでした。
イマジナリーが自由自在に形を変えられるなら、さらに多種多様な形のイマジナリーを登場させても良かったとも感じます。
とにかく、チラチラと姿を見せてくるイマジナリーの存在がよくわからなかったです。
イマジナリーって結局なんだったのか
イマジナリーは子供時代だけに現れる、架空の友達のことですが、不安定な時期に遊び相手になってくれることで子供の精神安定剤の役割を果たしてくれることもあります。
映画【イマジナリー】では、そんな架空の友達が突然暴走しだすというストーリーでしたが、なぜ彼らが暴走してしまい子供や家族を傷つけるようになったのか理由がわかりませんでした。
子供達の架空が悪だとしてしまうと、今までイマジナリーと交流してきた子供達を否定することになってしまうので、なぜイマジナリーがなぜ人を襲うのか明らかになって欲しかったです。
イマジナリーの世界が微妙
映画【イマジナリー】の後半では、ジェシカ達はイマジナリーの世界にアリスを助けにいくことになります。
CGを使って表現されたイマジナリーの世界は、まるでエッシャーの絵画のように、階段が入り乱れ上下反対に窓が取り付けられていてキャラクター達は驚き慌てます。
狭い空間での演出のみ
しかし、イマジナリーの世界の全貌がみえるのはたったの1シーンで、その後は右と左のドアからイマジナリーが出てくるだけなので、空間の使い方がとても狭いと感じました。
そして、部屋に閉じ込められるシーンなどもありますが、この部屋はアリスの部屋そのものじゃないかとすぐにわかり、だったらイマジナリーの世界に行くことはなかったんじゃないかと感じてしまいます。
また、現実世界に戻る時に、一度だけ上下が反転してジェシカが落ちてしまいそうになるところもありましたが、やはり役者の演技が微妙で緊迫感に欠けていました。
ブラムハウス新作映画の【イマジナリー】はあらゆる点で未熟な映画だったと感じます。
さいごに
期待していましたが、あらゆる点で面白さを感じられなかった【イマジナリー】の問題点についてふれてきましたがいかがだったででしょうか。
平日の昼間に鑑賞してきたのですが、観客もまばらで期待度も比較的低い作品なのではと思います。
配信で視聴するのならばいいかもしれませんが、わざわざ劇場に足を運ぶまでもなかったと感じます。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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