2025年10月4日、高市早苗さんが日本初の女性総裁に選ばれ、2004年に放送された【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG individual eleven】のことを思い出さずにはいられませんでした。
難民問題が加速する中、国民の期待を大いに背負って抜擢された女性総理は、いざその座につくとなかなか難民解放を実現できず、テロリストの「個別の十一人」の勢力が次第に増していくという話でした。
攻殻機動隊の舞台は2030年代なので、むしろ現実の方が先に女性総裁が誕生したと言えますが、本作が公開された20年前は、女性総裁が誕生するなど思ってもいませんでした。
【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG individual eleven】放送時は、アメリカで同時多発テロなどが起こり、そのエピソードを元に本作は製作されたそうですが、難民問題は日本ではなく遠い外国の話のように見えました。
しかし、2022年にウクライナ戦争が始まり、ガザ・イスラエル紛争が激化する中、難民への関心は年々高まっていきました。
また、少子高齢化が加速する現在では、移民の受け入れなどについてはどうしても議論しなくてはいけなくなり、物価高騰で生活が圧迫される中移民反対の声もたびたび聞くようになりました。
本記事では、【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG individual eleven】を改めて視聴し、現在の日本の状況と照らし合わせてみようと考えました。
以前も【AKIRA】というアニメで、東京でオリンピックが開催される予定だったが、中止になったという話が出てきましたが、実際の日本でも同様なことが起こりました。
アニメで起こったことが、現実でも起こるのはなぜなのかその真相に迫ってみました。
【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG individual eleven】の女性総裁について
【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG individual eleven】では、史上初の女性総理として茅葺(かやぶき)という妙齢の女性が登場します。
保守派の思想を持っており、海外との関係を一定間隔を保ちつつ、独立した外交政策を目指す女性総裁です。
本作の世界でも、戦争が起き草薙素子(以下少佐)もバトーも前線で戦ってきましたが、戦争終了後は難民を貴重な労働力として扱っていました。
しかし、何百人もの難民を養うために巨額の税金を投入されてることを国民は知り、茅葺は難民解放を公約に掲げ総理に当選することができました。
高市早苗首相についても、同様な政策を掲げており、同じように保守派の女性首相が誕生したことに驚きました。
しかし難民を解放することは、予想以上に難しく、茅葺首相は就任から数年経っても問題を解決することはできませんでした。
そのため、難民自治区を即時撤廃を要求する「個別の十一人」という過激派集団が発足し、茅葺首相の身が危険に晒されるようになりました。

アニメ版攻殻機動隊の神山監督は、茅葺総理を魅力的に見えるように、シワを無くし綺麗に描くように指示していたようです。
背筋が伸びて凛とした出立ちの茅葺総理は、暗殺に狙われ難民問題について頭を悩ませている様子は、どこか守ってあげたくなるような庇護欲を掻き立てられます。
しかし、公安9課の無期限待機命令を解除してくれた茅葺総理は、少佐を見る目はとても優しく母親のような面影を感じることもあります。
茅葺総理は、首相としての能力は足りないように感じましたが、人を惹きつける魅力がるからこそ国のトップに立つことができたのだと思います。
今回女性総裁に選ばれた高市総理も、右派からの人気はとても高く、総裁選でも圧倒的な票差をつけて当選したので、茅葺総理と同じようにカリスマ性があったのかもしれません。
しかし首相の真価が発揮されるのは、総裁選直後ではなくその数年後だと思うので、これからの活躍に期待しております。
個別の十一人とは
【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG】で登場する「個別の十一人」は、自分の命を投げ打ってテロ行為を遂行しますが、その実態は電脳を介してばらまかれるウィルスだということが分かっています。
パトリック・シルベストルという文書を検索し、一定の要件を満たすと感染してしまうそうです。
難民のことを過度に憎むようになり、難民達が大戦後に復興を手助けしてくれたことや、貴重な労働力になってくれたこと、また家族がいることなど一定の情報は遮断するようになります。
難民が税金を無駄に搾取していることや、定住民の仕事を奪っていることなど、自分達の状況が良くないことを難民のせいであると思考するようになります。
また感染者達は、平気で命を投げ出してしまうのですが、その大きな特徴としてはリーダーという存在がいないことです。
中国大使館を占領した「個別の十一人」は公安9課に制圧され、電波塔の屋上で首を斬り合った「個別の十一人」もセンセーショナルな映像が至る所でながれましたが、その死に意味はありませんでした。
人々は一時的に彼らの行動に関心を持ちましたが、世論を変えるような力はなかったのです。
ゴーダの役割
「個別の十一人」を生み出したゴーダは、大衆の無意識を意識的にコントロールする能力について研究しており、実際に難民との戦争を誘導していきました。
その顔は右半分が事故で負傷し奇妙に歪んでおり、茅葺総理とは違って、相手に恐怖心と威圧感を与える男でした。
電脳が支配する中、テレビを視聴し新聞の記事を読むことを好んでいますが、直接自分の手をくださずに火のないところに煙を立たせる役割を担ってきました。
例えば、公安9課が難民居住区を移動する際、新米兵に「難民の少女が銃で攻撃してきたことがある」などの情報をあらかじめ吹き込んでいました。
そして、難民集団と睨み合いになった時「おい、あいつ銃をもっているぞ」と、たった一言呟くだけで緊張ではち切れそうな新米兵は恐怖が最高潮に達し発砲をしてしまいました。
一つ一つはなんでもない情報ですが、大量に頻繁に特定部族の悪い情報を流布し、そこに問題が起きると一気に人は攻撃的になってしまうことをゴーダはよく理解していました。
現在SNSで、沢山の情報が出回っていますが、火のないところに煙を起こすような情報が頻繁に出回っているように見えます。
なぜアニメの出来事が現実でも起こるのか
今回改めて【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG】を視聴したのですが、女性総裁が初当選した以外にも、戦争など漫画やアニメで起こったことが現実にも起きることがあります。
先述した通り、【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG】は2001年にアメリカで起きた9.11事件を元に制作されていますが、一定の周期で紛争や戦争が誘発しやすい時期があるのではないかと推測します。
過去に起こった問題を取り扱ったアニメでは、ある程度その事象が起こるまでの経緯や解決策などが語られていることもあるので、大いに学ぶべきことがあると実感しました。
さいごに
【攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG】を改めて視聴することで、情報化社会の危険性について触れてきましたがいかがだったでしょうか。
日本初女性総裁が誕生したことは喜ばしいですが、攻殻機動隊の世界のようにSNSなどに情報が溢れるこの世界で、恐ろしい情報にいつのまにか汚染されていないか今一度確認するのもいいかもしれません。
攻殻機動隊シリーズは、Netflixで視聴することができるのでぜひ視聴してみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。


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