【チ。-地球の運動について-】なぜ人は神様を信じるの?人生の全て捧げてまで従う理由とは

【チ。-地球の運動について-】なぜ人は神様を信じるの?人生の全て捧げてまで従う理由とは チ。-地球の運動について-

手塚治虫文化賞を受賞した魚豊さんの【チ。-地球の運動について-】が、2024年10月5日から、NHKで放送が開始されることになりました。

製作は数多くのアニメを手がけてきたマッドハウスで、ラファウ役は坂本真綾さんが担当されるそうです。

15世紀のヨーロッパを舞台に、神童と呼ばれるほど優れた知能を持ったラファウが、当時最も支持されていた天動説を否定する地動説を見つけてしまうというストーリーです。

21世紀では、地球が太陽の周りを回っているという地動説は周知の事実ですが、なぜ15世紀の人々は地球が回っているという説を受け入れることができなかったのでしょうか。

本記事では15世紀に、人々の生活の資本で土台であったキリスト教について調べてまとめてみました。

神様と人間は同等ではない?

神様の存在ってなんなんだ?
引用:魚豊「チ。-地球の運動について-」小学館

【チ。-地球の運動について-】の一巻では、ラファウがあまりにも勉強ができて、飛び級して大学に行くことを知った学友は、ラファウのことを過剰に褒め称えようとします。

そして、勢い余ってラファウのことを神と呼んでしまい、教師であるポトツギに厳しく注意されてしまいました。

15世紀のヨーロッパで、神様はなぜここまで称えられる存在で、唯一無二の存在になったのでしょうか。

それは、彼らが歩んできた歴史と、キリスト教に頼ってきたおかげで栄えることができたからだと言えるでしょう。

神様は人間が生きるために全てのものをつくった

聖書の一番初めの文言は、創世記1章1節で、このように書かれています。

はじめに神は天と地を創造された

その後1日目に光を昼、闇を夜と名づけ1日目を終えます。

そして二日目には空、三日目に陸地と海、草木などの植物、四日目には太陽と月そして星、五日目には海や陸の生き物、六日目には人間と人間を助ける家畜動物を創造しました。

そして七日目に、全てのものを作り終えた神はやっと休息をとりますが、この七日目がのちに安息日と呼ばれるようになります。

人間が今後暮らしていけるように、気候も食べ物も世界の仕組みも全ては神様が作ったものだったのです。

初めて作られた人間である、アダムとイブはその後知恵の実を食べたことで、楽園を追放されそれぞれ義務を課せられます。

男性は地を耕し働く義務を、女性は子供を産むことを強いられるようになりました。

人々は住み良い地を求め旅をする

そして、神様の教え通りに栄えていった人間は、より良い地を求めて海を渡ったり山を越えたり、それぞれ住み心地の良い地を目指して旅をしました。

特に、エジプト人の支配から逃れるために、ユダヤ人を連れて旅に出たモーセなどが有名かと思います。

モーセは、多くの民衆を従え統率するために「十戒」という法律を定めます。

そしてそれ以外にも、夫婦関係や隣人との揉め事の解決法、家畜を殺してしまった時の対処法、祭壇の作成方法や礼拝の仕方、食べてはいけないものなどを法律で定めました。

ひずめが分かれてい豚や血が滴っていない動物を食べることで、衛生的に危険な食べ物を避けることができ、1週間に一度安息日をとったり、法律により揉め事を回避することで人々は豊かに生活できるようになりました。

昔活躍した王様の武勇伝を知ることで、より神様に対する信仰を強め、神様を讃える歌を元に讃美歌が作られ人々の大切な文化になっていきました。

このような歴史があることから、キリスト教の教えが、欧州に住む人たちの大きな心の支えになっていったのだと思います。

人類の起源を辿ると地動説はなかなか受け入れ難い

以上のことから、キリスト教の考えの根本に「神様は人間のために地球を作ってくれた」という考えと、「昔から信じられている教えを守っていれば危険なことは起こらない」という保守的な考え方があったのだと思います。

神様が人間のために地球を作ったと話すラファウ
引用:魚豊「チ。-地球の運動について-」小学館

さらに、【チ。-地球の運動について-】の作中でも「重いものは下に落ちる」というアリストテレスの説が有力視されていました。

皆が考えている常識を、ひっくり返すような説が出てきたら、例え神様を冒涜した訳ではなくとも、裁かれる存在になってしまう危険があります。

しかし、計算を重ねたり、星の実測は昔から行われてきたことなので、そこに違和感を持つ人は少なからずいたのかもしれません。

宇宙に魅せられたラファウ

今回、アニメのラファウの声を女性である坂本真綾さんが演じることを知り、ラファウが考えていたよりも幼く成熟しきっていない印象が加わりました。

高い知能を持ったラファウですが、その心中は他人を見下してみたり悦に浸ってみたり、そしてただひたすら純粋に真実を突き止めたいという思いがありました。

キリスト教を深く信仰するポツトギから育てられたラファウは、もちろん神様を信じていましたし、深い信仰を持っていました。

しかし、異端審問から戻ってきたフベルトと接触したラファウは、今までチヤホヤ生きてきた自分がちっぽけな存在だったことに気付きます。

フベルトはラファウのような天才ではありませんでしたが、長い時間地動説の研究に打ち込んでき経験と純粋に知識を求める好奇心に溢れていたのだと思います。

また、ラファウの人生を変えたとも言える『神が作ったこの世界は、きっと何より美しい』という言葉を残しています。

地動説を発見してしまったラファウがどうなってしまうかは、ぜひ本編を視聴していただければと思います。

さいごに

【チ。-地球の運動について-】の舞台である、15世紀のヨーロッパで、なぜキリスト教が絶対的な存在になっていたのかまとめてみましたがいかがだったでしょうか。

ずっと島国であった日本とは異なり、大陸では常に敵との争いや未知の場所に対する危機感と隣り合わせであったのだろうと思います。

過酷な環境下で、キリスト教のような役にたつ知恵袋的存在は、人々にとって生きる支えになっていたんですね。

今後も【チ。-地球の運動について-】考察をしていく予定なので、もしよければまたブログをのぞいてもらえると幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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