夏といえばホラーだよなと思い、2026年7月いろいろ探して、話題になっていた『ブリング・ハー・バック』を劇場で鑑賞することに決めました。
ポスターからグロい怖さは覚悟してきましたが、予想以上にグロくて痛みを感じる描写が多く、上映中思わず目を背けたくなる場面がありました。
ホラー映画なので、グロ描写があるのは仕方ないのですが、先日映画『災愛オブセッション』を鑑賞したせいか恐怖演出に物足りなさを感じ、ちょっと薄い話だなと感じました。
フィリッポウ兄弟の作品は、以前『トーク・トゥー・ミー』をアマプラで鑑賞したのですが、途中で見るのをやめたのを思い出しました。
一体自分はフィリッポウ兄弟の作品が何故嫌なんだろうと考え、その理由をまとめてみました。
後半はネタバレありで感想を投稿していきますので、映画を鑑賞してから見てもらえればと思います。
ブリング・ハー・バックのあらすじ
弱視の少女バイパーと、もうすぐ18歳になるアンディは、異母兄弟でありながら仲が良くお互い支え合って生活してきました。
しかし、父親が亡くなってしまったことで、バイパーは里親に引き取られることになり、後見人の資格が認められるまでアンディはバイパーと一緒に里親の家で過ごすことになりました。
里親のローラは、バイパーのことをとても歓迎していましたが、アンディのことはバイパーにばれないように追い出そうとしているように見えました。
さらに、ローラの家にはオリバーという髪の毛を刈られた無表情の男の子がおり、ローラは彼のことを気にしないようにと言いますが、オリバーはローラからほぼ放置されて食べ物も満足にもらっていませんでした。
またローラは昔、バイパーと同じように盲目の娘エミリーがいたのですが、家のプールで溺れて亡くなってしまったという悲しい過去を持っていました。
ローラはエミリーの服をバイパーにあげたり、バイパーにエミリーの面影を重ね合わせているようにみえましたが、実はバイパーを生贄にエミリーを生き返らせようとしていたのです。
視聴者が嫌な気分になる描写ばかり
最近A24の作品は、鑑賞者が嫌な気持ちになる作品ばかりだなと思っていましたが、フィリッポウ兄弟の作品もその傾向が出ているなと感じました。
Youtube動画を製作していたフィリッポウ兄弟は、『トーク・トゥー・ミー』で長編映画監督としてデビューし、『ブリング・ハー・バック』は二人の二作目のホラー映画になります。
調べてみると、二人がもともとyoutubeに投稿していた動画は、ドッキリや過激なやってみた系の動画で、一般の人たちが思い付かないような動画を作るのが上手かったみたいです。
世界的にバズった動画である、スター・ウォーズのキャラクターとハリー・ポッターのキャラクターが戦う動画は、カメラアングルも良く大胆な展開で面白かったです。
ただ長編映画になると、話が切り替わるごとに目を引くシーンを組み立てていって、インパクトを重視するするあまりにグロい描写に頼りすぎかなと感じました。
特に『ブリング・ハー・バック』では、主人公のアンディーがとにかく酷い目にあい続けます。
また、オリバー役のジョナ・レン・フィリップスは、丸刈りでも顔の造形が際立つ美少年ですが、出てくるたびに血が流れ可哀想でたまりませんでした。
アンディに対する仕打ちが酷い
ローラは禁断の儀式のビデオを真似て、亡くなってしまったエミリーを生き返らせようとするのですが、そのためにはエミリーの魂を入れるための生贄と、二体の生贄が必要になるそうです。
そのためバイパーが家に迎えた時から、彼女を生贄にすることは決まっていたと思うのですが、アンディを生贄にするのかそれとも追い出そうとしているのかいまいち分かりませんでした。
生贄を三体用意するのって正直手間がかかると思うので、アンディとバイパーどちらも懐柔して、ここで二体生贄を確保した方が確実かと思いましたが、ローラは必死でアンディを遠ざけようとしました。
人の遠ざけ方もいろいろ方法があると思うのですが、そのやり方がそこまでしなくてもいいのでは?と思う場面が何度もあり、嫌と言うほど繰り返されます。
特に、亡くなった父親にアンディがキスするように強要する場面については、そこまでやらなくてもいいし何故そこまでやったのか後から考えても腑に落ちませんでした。
とりあえずオリバーを酷い目にあわせる
『トーク・トゥー・ミー』を見た時もそうでしたが、あえて子供達を悪霊の餌食にさせるのは意味があるのかなと疑問でした。
『ブリング・ハー・バック』では、降臨術で天使が憑依されたオリバーは、飛んでいる蠅や机などに齧り付いたり至るものを食べようとしていました。
アンディから渡されたメロンを、包丁の刃ごと食べてしまったり、とにかくオリバーは目をぎょろぎょろさせ血を流し苦しんでいました。
しかし、ローラは「まだよ、まだ早いわ」と言って、降臨術をぎりぎり引き伸ばし、バイパーと呑気にショッピングを楽しんだり遊んだりしていました。
ローラは速くエミリーに会いたいのではないのか分かりませんが、とにかくオリバー君がもう限界だと思うので、雨が降り始めたらさっさと解放してあげて欲しかったと思いました。
また、雨の日に降臨術をやりたいという理由も、なんだかあやふやなもので、ホラー映画っぽい雰囲気をだしたいためのように思えてしまいました。
人物描写が浅い
『ブリング・ハー・バック』を見ていて、一番呆れてしまった場面は、バイパーにエミリーの遺体を触らせて「これは何?」と聞かれた時「ただの肉よ」と言い放ったところでした。
最愛の娘がどんなに変わり果てた姿をしてしまったとしても、愛情もって育てた娘の遺体を「ただの肉」だなんて母親として言えるわけがないと思いました。
その後、どんなにエミリーの映像が流れたとしても、「ただの肉」と言ってしまったことで、ローラの母親としての愛情が作り物に見えてしまいました。
その後の演出のために、エミリーの遺体を出してきたんだろうなと、冷めた気持ちで後半スクリーンを眺めていました。
オチに違和感
ローラ役のサリー・ホーキンズの演技は素晴らしかったですが、彼女の演技に脚本が追いついていないなと感じました。
特に最後にバイパーを生贄に捧げる場面では、バイパーが最後の力を振り絞ってローラのことをお母さんと呼ぶのですが、その一言でローラはバイパーを生贄にすることをやめてしまいます。
心理士としての安定した立場を手放し、子供を誘拐し二人の命を殺め、そこまでしてもエミリーを生き返らせたかったのにも関わらずこの一言でぴたりと儀式を止めてしまいす。
しかも、バイパーも心からローラのことをお母さんと呼んだわけではなく、殺されそうになって突発的に叫んだだけのように見えました。
そしてローラは、肉呼ばわりした娘の遺体と一緒にプールに沈み、いかにも私は愛情あふれる母親だと言わんばかりにプールで入水自殺を果たしました。
SNSでは、『ブリング・ハー・バック』を鑑賞して泣けた!という意見もありますが、どうにもローラの母性愛というものが感じられず、乗り切れなかったホラー映画だなと思いました。
さいごに
『ブリング・ハー・バック』を鑑賞した感想をまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
目を引く絵作りはできていると思うのですが、ストーリー性に関してはホラー映画だからと言っておざなりにせず、もう少し作り込んで欲しかったと思います。
A24の作品は、嫌がれせ映画が多いのでこれからあまり映画館で見ないようにしようと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。


コメント